教員試験一般教養(数学)1995

教員試験一般教養(数学)1995

【傾向】
95年度の問15は、巡回する数の問題だが、数の変化していく様子を調べ
ると特長が見えてくる。問19は、コンピュータのプログラムのフローチャ
ート(流れ図)を利用した問題だが、中身は平方数の和と等比数列の和の問
題なので、数列の内容になっている。問23は、クイズの迷路問題だが、立
体視の能力を使って解く問題である。問24は、カードの問題だが、見えな
い部分を作ったり、正しい答と誤った答を含ませたりで、とても複雑な問題
である。頭の中を字句に惑わされることなく論理的に解いていかなければな
らない。解くコツは不等式の領域を使うと良い。

1995年度問題


問15
1,2,3,4,5の数字に、それぞれ次の数字を対応させる。
1→3,2→5,3→4,4→1,5→2
例えば、
1回目
(1,2,3,4,5)→(3,5,4,1,2)
2回目
(3,5,4,1,2)→(4,2,1,3,5)
3回目
(4,2,1,3,5)→(1,5,3,4,2)
…………
というようになる。この対応を600回行ったらどうなるか。

問19
フローチャート(流れ図)とは、ある行動や処理の手順を図に書いたものをいう。
例えば、次のフローチャートは以下のような手順を表す。

このとき下の左右のフローチャートの結果、SとTの和はいくつになるか。


問23
次のような入り口がA,B,C,Dの四つある立体迷路がある。ただし、●からは
上の階へ行け、○からは下の階へ行けるものとする。
どの入り口から入ると、出口に行けるか。


問24
次の図のように10枚のカードに○、△、□がそれぞれ書かれている。A,B2人
の人にそれぞれAには左端を、Bには右端を見せないでカードを並べてある。

このとき、次の質問に対してA,Bのどちらかは正しい答え方を、どちらかは誤っ
た答え方をする。
ただし、○、△、□はそれぞれ1枚以上あるものとする。
・○と△のカードを合わせると7枚より多い。
    A:はい   B:はい
・□を3倍したものより○の方が多い。
    A:はい   B:はい
・□を2倍したものと△を合わせると10枚以上になる。
    A:はい   B:いいえ
次の文章の内、正しいものはどれか。
①Aは正しく、○のカードは7枚である。
②Aは正しく、□のカードは3枚である。
③Bは正しく、○のカードは5枚である。
④Bは正しく、□のカードは2枚である。
⑤○のカードは5枚で、△のカードは2枚である。


1995年度解答
from=武田


問15
置換
A=( 1 2 3 4 5 )=( 1 3 4 )( 2 5 )
  ( 3 5 4 1 2 ) ( 3 4 1 )( 5 2 )

               =( 1 3 4 )( 2 5 )=B・C
とすると、
B・B・B=B、C・C=Cより、
Bは3倍で元に戻る。Cは2倍で元に戻る。
したがって、600回はBにとっても、Cにとっても元に戻るので、
最終的にすべて元に戻る。よって、( 1 2 3 4 5 )……(答)

問19
S=1+(12 +22 +32 +……+202 )
    20(20+1)(2・20+1)
 =1+────────────────
           6

 =1+2870=2871……①
T=21 +22 +23 +……+25 

  2(25 -1)
 =───────
    2-1

 =2・31=62……②

①と②より、SとTの和は
S+T=2871+62=2933 ……(答)

問23
下の図のように初めは赤線、後は青線で行けば、出口に出られる。
したがって、Cから入ればよい。


問24
○をx、△をy、□をzとすると、
質問の1番目より、両方とも返事はハイなので、x+y>7……①
質問の2番目より、両方とも返事がハイなので、3z<x ……②
x、y、zの個数は1以上8以下の自然数なので、②より、
z=1のとき、x=4ならば、y=5
       x=5ならば、y=4
       x=6ならば、y=3
       x=7ならば、y=2
       x=8ならば、y=1
z=2のとき、x=7ならば、y=1
質問の3番目より、直線2z+y=10……③を境にして上か下かはAとBのどち
らが正しいかによるので、上の範囲で考えてみると、
z=1のとき、y=5では、③の下
       y=4では、③の下
       y=3では、③の下
       y=2では、③の下
       y=1では、③の下
z=2のとき、y=1では、③の下
したがって、不等式は2z+y<10となり、Bのイイエの方が正しい。

3つの不等式を満足する(x、y、z)の組をあげると、
(x、y、z)
(4、5、1)
(5、4、1)
(6、3、1)
(7、2、1)
(8、1、1)
(7、1、2)
この中でAが全部誤った答えをしているのだから、
質問1でイイエということは、
x+y≦7
質問2でイイエということは
3z≧x
質問3でイイエということは
2z+y<10
上の3つの領域を満足する可能性があるのは、(7、1、2)のときのみ
したがって、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
○ △ ○ ○ ○ □ ○ ○ ○ □ ……(答)
  └─────────────┘
    この並びは異なっても可