質問<1594>2004/2/17
from=ノラ
「不等式と絶対値」


 証明しなさい。
 
  ①(a+b)×(b+c)×(c+a)≧8abc
  
 上の証明なんですが、解答では相加相乗平均を使って解いてました。
その途中で、3つの不等式の各辺は正だから、辺々をかけ合わせて‥‥
とあるのですが、そこがよく分かりません。教えて下さい。

 ②|a+b|≦|a|+|b|‥‥(1)
  が成り立つとき

 |a+b+c|≦|a|+|b|+|c|‥‥(2)

  まず(1)のbの代わりにb+cを代入する。
  とあるのですが、等しくない値を代入しても良いので
  すか?
  これはどういう風に考えたら良いのでしょうか?
    ちなみにこれらは解法シリーズからの問題です。
  詳しく教えて下さい。お願いします。


お返事2004/2/25
from=武田


①
相加相乗平均
a+b         b+c         c+a
――― ≧ √(ab)、――― ≧ √(bc)、――― ≧ √(ca)
 2           2           2

(ア)不等式の不等号は、プラスの値を掛けるときは、変化しない。
   マイナスを掛けると、不等号は逆になる。例えば、
   不等式3>2に-4を掛ける。
   3×(-4)<2×(-4)
   -12<-8
   マイナスを掛けると、不等号は逆になる
(イ)a,b,c,dが正のとき、a>b、c>dならば、ac>bd
   a>b→ac>bc、bc>bd→ac>bd
(ウ)右辺が√( )なので、右辺≧0より、したがって、左辺≧0
以上より、3つの相加相乗平均の不等式を辺々掛けて、
(a+b) (b+c) (c+a)
―――――×―――――×――――― ≧ √(ab)√(bc)√(ca)
  2     2     2
両辺に8を掛けて、
(a+b)(b+c)(c+a)≧8√(abc)^2=8abc

②
公式に代入するという意味です。bに異なる値(b+c)を代入すると言う
意味ではない。
代入するという言葉を誤解してしまうのは、まずいので、次のように
考えると良い。
左辺=|a+b+c|
  =|a+(b+c)|←公式|a+b|≦|a|+|b|より
  ≦|a|+|b+c|←公式|a+b|≦|a|+|b|より
  ≦|a|+|b|+|c|=右辺