質問<841>2002/5/17
from=マサカリ投法
「固有関数」


対称核の積分作用素の固有値は実数であることと,相違なる固有値に属す
固有関数は直交することを証明せよ。


お返事2002/7/5
from=SQ


対称核の積分作用素をAとすると、Aは内積に関して次の式を満たす。
(x,Ay)=(Ax,y) ------ ①
ここで、x,yはAが作用するベクトル(関数)空間の任意の元です。
今、x,yがAの固有ベクトルであるとして、
Ax=αx
Ay=βy
とすると、(α,βはAの固有値) ①より、
α(x,y)=β^*(x,y)
(ここで、β^*はβの複素共役のことです。内積の定義から出てきた。)
 まとめると、
(α-β^*)(x,y)=0

y=xのときは、β=αで
(α-α^*)(x,x)=0
⇒αは実数。(固有値は実数)
で、y≠xなら、
α≠βのときに(x,y)=0となり、異なる固有空間に属するx,yは互いに
直交することが分かる。
α=β のときは、この固有空間は、2次元以上になるが、
シュミットなんかで直交化すれば、すべての固有ベクトルを直交化できる。