雛菊(ひなぎく)作

〜〜〜〜〜〜〜〜俳  句  集〜〜〜〜〜〜〜〜



<平成27年11月8日>



 351. D51の汽笛なるなる若き日へ

 350. 諏訪峡をおおうもみぢの色重ね

 349. 燃ゆる秋母の面影さがす旅

<平成27年10月13日>



 348. 冬花火ゆるりと上がりはじけ散る

 347. くつついてくるはこばまずいのこづち

 346. 三峡に湯音の響く薄紅葉

<平成17年6月20日>



 345. 父に読む路傍の石や薄暑光

 344. 夏燕ひらひら家を回りたり

 343. ペダル踏む股ぷるぷると梅雨晴間

<平成17年5月20日>



 342. モッコウバラ父子の発ちぬ温泉へ

 341. 芝桜見上げる先の武甲山

 340. しばざくら大きく大きく弧を描く

 339. 初夏や子の目まつすぐ絵本へと

 338. 挿し芽鉢行つたり来たりの朝かな

 337. 薔薇に鼻くつつけてゐるウォーキング

 336. 風邪の子に夏蕪柔く柔く煮る

<平成17年5月3日>



 335. 風無くばだらんと村の鯉のぼり

 334. みどりの日山のさみどりうすみどり

 333. 木道の母の手ひくや水芭蕉

 片品水芭蕉の森


 332. あちこちを向いて群生水芭蕉

 331. 囀りを聴く木の下にしやがみこみ

<平成17年4月15日>



 330. ゆらゆらと水に浮かびし落椿

 329. ペダル漕ぐ道にたんぽぽイヌフグリ

 328. 花の枝ぐるぐる回す子どもかな

 327. 蒲公英の茎鳴らしたりぷぷぷぷぷ

 326. 風光る欅の葉つぱのうすみどり

<平成17年4月8日>



 325. 胸元を深めにあけて桜南風

 324. クレープの苺クリーム山笑ふ

 323. 菜の花へ枝伸ばしたる桜かな

 322. 枝垂桜てふピンクの傘の中

 321. 車より左右に満開の桜

<平成17年3月30日>



 320. 浅草の豆腐大きや針供養

 319. ふうはりと母を包みし雪柳

 318. まはりからたぷたぷとける春の雪

 317. 春の雪六年生はもうゐない

 316. 鳥帰る池にずんぐり鯉の口

 315. 薄氷ぽつんと胸に穴があき

 314. 荷を解くやいかなご匂ふ涅槃西風

<平成17年2月4日>



 313. 笑わせて泣かす芸人恵方より

 312. 舞台よりジュリーの高音鬼やらふ

 311. 立春に生まれし娘けふ二十歳

 310. 薔薇の芽のつんつん尖る胸先に

 309. 湯煙や春立つ雲の流れゆく

<平成17年1月30日>



 308. ペンギンのとことこつるり雪光る

 307. 明太子パスタのピンク春隣

 306. そろそろと球根の芽出て四温晴

 305. 文旦の皮剥く指の痛きこと

<平成17年1月10日>



 304. 一年をぶつた切つたる大嚔

 303. 日溜まりを捜して暮れの洗車かな

 302. ハイウエイ冬連山を銜へをり

 301. 初富士や雪の稜線くつきりと

 300. 水仙のただ真つ直ぐに立つてゐる

 299. 野天湯にずだんずだんと雪の落ち

 298. 冬山や墨で濃淡描くごと

 297. 白原をずぼずぼ歩くスノーシュー

 296. 晴れ着の娘横一直線にピースして

<平成16年11月15日>



 295. 湯けむりや胸に寄せたる紅葉かな

 294. 立冬や目玉並べて一夜干し

 293. 銀杏落ちて園児の鼓笛隊

 292. しぐるるや子を盗まれし人のゐて

 291. しぐるるや検査表しか見ぬお医者

 290. マジシャンの手の内に入り小夜時雨

<平成16年11月8日>



 289. 秋桜しばし佇むための旅

 288. 十三夜月白く星赤く射し

 287. 寝返りに本ものそりと暮れの秋

 286. 主無き部屋時計は動く秋の夜

 285. ハロウイーン口の大きな南瓜かな

 284. テーブルにおかちめんこの林檎かな

 283. 新札に爆発髪見る十一月

 282. 新札に一葉のゐて明治節

 281. しぐるるや和紙の繊維の動きたる

 280. 恋人をつれていくよと文化の日

 279. 注ぎ合ひて会話の弾む文化の日

 278. 葉陰より吉祥草見へ冬の朝

 277. 銀杏落つ老いてもプラス思考かな

 276. 小春日や晴れ着指さすハンバーグ

 275. どんぐりを落ち葉の山に隠したり

 274. 秋深し男の顔に書かれた字

 273. 教室に落ち葉のはりえ参観日

<平成16年10月26日>



 272. 一条の光集めて石蕗の花

 271. 青柚の下ろせば指に香の移り

 270. 分別のあるゴミもありや花八つ手

 269. 秋の燈銜へてふ字覚えたり

 268. 颱風夜うすむらさきの空の色

 267. なゐありて間なしテレビに当地の名

 266. 寝坊して人参一袋秋の市

 265. 鶏頭やそ知らぬ顔す父の咳

 264. 団栗や人は戦で地に落ちる

<平成16年10月15日>



 263. 秋時雨議論白熱会議室2

 262. 松茸や空いた肩椅子焼けた妻まつたけやすいたかたいすやけたつま

 261. 土瓶蒸し亭主が惚れたおちょぼ口

 260. 秋薔薇育てし我の方むかぬ

 259. 餃子包む音ほかに無し秋の夕

 258. ウインカー光連なる秋の雨

 257. 数珠玉や歳時記の季語飲み込めず

<平成16年10月9日>



 256. 赤子抱く かひなにえくぼ 水引草

 255. 花壇で咲くのはいやだわ 女郎花

 254. 秋の雨降るだけ降って暮れてゆき

 253. 金木犀 散る花で知る 木の在処

 252. 掃除好きも金木犀には手を出さず

<平成16年10月1日>



 251. 天高し イチロー記録達成す

 250. 長き夜 からみつかれて ネットかな 

<平成16年9月28日>



 249. 名月や こんなにも空広くあり

 248. 仲秋や うさぎは何処にいるかしら

 247. 満月や 信号青に 変わる間に

<平成16年9月20日>



 246. 潮流の色そのままに 秋刀魚かな

 245. はらわたの脂肪の甘し 秋刀魚かな

 244. 毬栗や 自分に向ける 針の先

 243. 栗喰めば しばし縄文人になる

 242. 白萩や 飛び石にヒール すべりをり

<平成16年9月5日>



 241. いわし雲 ぽっくりは無理 お母ちゃん

 240. いわし雲 側溝掃除のシャベル音

 239. 新涼や ビタミンB1 足りぬらし

 238. 颱風の目か 寄り目の海老蔵かな

<平成16年8月15日>



 237. 冷素麺 さるぼぼお尻を 見せるだけ

 236. 谷川岳 バタフライで泳ぐ 赤とんぼ

 235. 百合一輪 備前の壺は 寂しかろ

 234. 病む人の 生命確かむ 花火かな

 233. 揚花火 ドカンと鳴って 足蹴られ

<平成16年8月5日>



 232. 糸とんぼ 僕しか知らない 秘密基地

 231. 夏登山 女房の後を すたこらさ

 230. 暗すぎて 吉祥天画像 よく見えぬ

 229. 蝉時雨 明治の名工 技冴える

<平成16年7月25日>



 228. 夏の宵 哀愁おびる 胡弓の音

 227. 呉服屋に並ぶてぬぐい 青海波

 226. 蜜豆や 幼子欲しがる サクランボ

 225. スイカ割り 今泣いた子が笑ってる

<平成16年7月10日>



 224. 温度計 40目指して 走る夏

 223. 世に珍し アオハダトンボ 庭に舞う

<平成16年7月1日>



 222. もじずりや カーブ描いて 生きてゆく

 221. 車買う 齢重ねて 半世紀

 220. 空梅雨に 蚯蚓這い出し 空見上ぐ

 219. 半夏生 山口百恵の さりげなさ

<平成16年6月18日>



 218. 台風過 舞台に立って 朗読す

 217. 夏至の夕 紫陽花の見頃なり

 216. 内緒話 ベルの形の クレマチス

 215. 父の日や 義母はパジャマの 裾直し

<平成16年6月8日>



 214. 木漏れ日や 傘寿の義母押す 車椅子

 213. 憧れし人に会うごと 薔薇訪ね

 212. 迷い道 田んぼの中の温泉よ

 211. はめ殺し窓に閉じ込む 赤い薔薇

<平成16年5月5日>



 210. 石楠花や ツツジを花束にしたような

 209. 花エビネ 微妙に色の 違い有り

 208. 茄子・トマト・ピーマン・きゅうりと苗増える

 207. 訪ねしが 娘は不在 部屋掃除

<平成16年4月5日>



 206. 諏訪峡の春は サンシュユの黄色から

 205. 権現堂 桜と菜の花だけでいい

 204. 春を惜しみ 桜を惜しみ バスに乗る

<平成16年3月9日>



 203. 春の雪 ゆるりと舞って 去りにけり

 202. サボテンは ハの字に咲いて 春うらら

 201. 放浪記 桜に老醜 許されず

 200. イヌフグリ菜の花桜を 縦軸に

 199. 鉄線花 ト音記号の 蔓の先

<平成16年3月3日>



 198. 立春に 生まれた娘は 19歳

 197. 民話聴き笑む 痴呆の人よ 茜色

 196. 埋木や 意固地な俺に 佐保姫が

 195. 下萌や 早く出てこい 初孫よ
         (友人の笑顔を見て)

 194. 雛祭り 夫と苺とサッカー戦

<平成16年1月17日>



 193. 小寒に 塗装工事の 足場組む

 192. カンカンと 冬空を突く 工事音

<平成16年1月2日>



 191. 大晦日 夜更けにマニュキア 塗ってみる

 190. 初詣 甘酒飲んで 並ぶ列

 189. 新年に 娘と皿鉢が揃いけり

<平成15年12月30日>



 188. ピンポンに夢中になれり 外は雪

 187. 温泉で 手足伸ばして 雪景色

 186. 夕食は 今日はすき焼き 明日牡蠣鍋

 185. 車窓より 旅の途中に 白き富士

 184. カラオケを 見知らぬ夫婦と 交代で

 183. 帰省子の 恋の話に 夜は更けて

<平成15年11月9日>



 182. 夫の忌に 伯母穏やかに 微笑みて

 181. 葡萄色鮮やか 伯母のカーディガン

 180. 白衣姿 眼に浮かんでは 読経かな

 179. 会食の 話題騒然 選挙戦

 178. 秋時雨 カーラジオで聴く 開票報

 177. 冬支度 男やもめの 胸の内

<平成15年11月2日>



 176. 赤と黄と杏で織りなす  秋の山

 175. 紅葉の山の余白に 青い空

 174. 紅葉や カーブで変わる 山景色

 173. 温泉や 女三人 囲む鍋

 172. コスモスや 旅の終わりを 愛惜しむ

 

<平成15年10月7日>



 171. 金木犀 オレンジ色の 金平糖

 170. コスモスや 秋空主催の パーティーに

 169. 秋薔薇と お日様ゆらゆら ティータイム

<平成15年9月27日>



 168. 柿熟す 義父の味見で 占えり

 167. 寄せ植えに 紅葉の赤を加えたし

 166. 布団干す 秋の日差しの贈り物

<平成15年9月19日>



 165. 若い娘の 髪ピンと跳ね 曼珠沙華

 164. 車椅子 曼珠沙華の道 ゆったりと

 163. 白花に 皆足止めて 曼珠沙華

 高麗巾着田

<平成15年9月7日>



 162. 竜胆や ホームセンターの棚 青し

 161. 秋庭園 スコーンと紅茶も 味わいて

 新田ジョイフルガーデン

<平成15年8月25日>



 160. ハーイウェイ 木槿の花に 見送られ

 159. 岩を削ぐ 水のナイフや 滝落ちる

 158. 小さき村に 小さき花火 上がりたり

 157. 土手座り 花火見物 父と子と

 156. 夏山の大きなスクリーンの中にいる

 155. 白根山 朽ちた木の中 光苔

 154. 諏訪峡の 水の音聴き 目覚めたり

<平成15年8月18日>



 153. 帰省子や 祖母と夕飯 整えり

 152. 八方に 気遣い見せる 帰省の子

 151. 手術日は 終戦記念日 つと祈る

 150. 術前に パスタを孫と 母の夏

<平成15年8月8日>



 149. ラベンダー 時折霧に 霞みたり

 148. 色揃え 山の傾斜は 夏花の帯

 147. 燕たち 巣立ちの稽古 土産店

 146. 楽しみは 温泉つかり 北の蟹

<平成15年8月5日>



 145. 若き母 胸ゆたかにて 山をなし

 144. 乳飲み子の 百面相は 見られずに 

<平成15年8月1日>



 143. 若鮎よ 異国の旅に 幸あれと

 142. 夫と子は 時空を超えて 旅立てり

<平成15年7月29日>



 141.梅雨明けを フシグロセンノウ 楚々と待つ

     リコリスや 帰省の娘の 花火かな

 リコリス

<平成15年7月18日>



 140. 440個の提灯乗せて 山車回る

 139. 祭囃子 いなせな男を 煽り立て

 138. 7体の山車 宵闇に ぽっかりと

<平成15年6月29日>



 137. 山若葉 小鳥さえずり 輪唱に

 136. 山路来て 桃色まぶし 谷卯木

 135. 朝霧や 義父は食欲 増してきて

<平成15年6月23日>



 134. 紫の 扇重ねて ラベンダー 

 133. 女四人 仕事終え見る ラベンダー

<平成15年6月22日>



 132. 梅雨空に 隅田の花火 涼しげに

 131. 手に入れし 柏葉あじさい 挿し木する

<平成15年6月18日>



 130. ラベンダー 香りの中に 時間過ぎる

 129. ラベンダー リボンで香りを 閉じこめて

 

<平成15年6月13日>



 128. 額の花 雨はしっとり 薄化粧

 127. 梅雨晴れや 薔薇の洋館 そびえ立つ

 

<平成15年6月10日>



 126. 蔓薔薇を 一気に切りて 来年に

 125. カブト虫 子どもにやさし 下町は

<平成15年6月9日>



 124. 郭公の 声聴くやいなや 双眼鏡

 123. 庭仕事 ミミズも仲間となりにけり

<平成15年6月5日>



 122. 青田風 初めて訪ねし 友の家

 121. 水無月や シャーベット付きの ランチタイム

<平成15年5月30日>



 120. 草の原 ちひろの絵の子が 遊んでる

 119. しっかりと 意志を持ち立つ 人形は

 118. 充足の ティルームに 都忘れ

 117. 中庭の 赤い実一つ 口に入れ

 

<平成15年5月28日>



 116. 走梅雨 快進撃の阪神よ

<平成15年5月25日>



 115. 五月晴れ マイクの前に こもりきり

 114. 林檎の花 同じ訛りの なつかしさ

 113. 郭公や ようこそ青葉へ 夏が来る

<平成15年5月23日>



 112. カップの絵 オールドローズのゆかしさよ

 111. えごの花 なかなか開かぬ窓淋し

 

<平成15年5月20日>



 110. ひとときや 異国の花園 バラ園は

 109. 薔薇の名と 姿香りを 確かめて

 108. ルービング 杏色の薔薇に また会えり

 

<平成15年5月18日>



 107. 陽は伸びて 赤い薔薇見る 午後七時

 106. 顔寄せて 義父は芍薬 眺めをり

<平成15年5月16日>



 105. 新茶飲む ちょっと小ぶりの 白磁茶碗

 104. 新茶飲む 赤子の髪を 撫でるように

 103. スタイルも 香りもよろし 白牡丹

 102. 足止まる 初夏の店先 蔵の街

<平成15年5月11日>



 101. 夏告げる 茄子科の植物 咲き始め

<平成15年5月10日>



 100. 銀色に光る鰹や 土佐からの

<平成15年5月8日>



  99. 巣作りは キウイの梢 若葉風

<平成15年5月5日>



  98. 雪解けの 強い瀬音よ 山吹花

  97. 色・形 違う新芽の おもしろさ

  96. 雪残る 水辺に顔出す 水芭蕉

  95. 山一面 青葉と桜の パッチワーク

  94. 木漏れ日や 葉っぱが作る レース編み

  

<平成15年5月1日>



  93. 真摯に丁寧に生きる モッコウバラ

<平成15年4月28日>



  92. 池囲み 亀戸天神 藤の花

  91. 薫風や 母のおむすび 大きくて

  90. 道真公ゆかりの牛の 鼻を撫で

  89. 浅草や 雷おこしとあんみつと

  

<平成15年4月27日>



  88. 卯の花や 尾崎の横顔 美しき

  87. 新緑も絡め 筍 木の芽和え

<平成15年4月25日>



  86. 白雪ゲシ 自己主張無い 存在感

<平成15年4月23日>



  85. 花水木 娘の恋の話など

<平成15年4月22日>



  84. 100勝に 笑顔を見せず 初鰹

<平成15年4月21日>



  83. 新緑を 時過ぐままに 眺めをり

  82. ライラック 愛ふくよかな 房を持ち



<平成15年4月17日>



  81. タンポポは 蒲公英たんぽぽは似合わぬ 可憐ゆえ

<平成15年4月16日>



  80. ハンカチーフの木 五月の風に 白く揺れ

  79. 八重桜 髪に乗せたき 花ベール

  78. 羽根突きの ムクロジの実 拾いたり

  77. 枝広げ 桃色まぶし ハナズオウ

<平成15年4月14日>



  76. 猫の恋 敗者復活戦があっていい

  75. うぐいす嬢 ペットボトルに 赤い紅

  74. 春眠に 爪切る音が 冴えわたり

  73. 独り食は 目刺し、筍、山椒の芽

<平成15年4月11日>



  72. 桜観て 介護の話題 ぽつぽつと

  71. 薫風や 見知らぬ人と 花談議

<平成15年4月10日>



  70. 縁側で 義父は爪切る 諸喝采

<平成15年4月9日>



  69. 淡々と 総会終わり 花吹雪

<平成15年4月7日>



  68. 選挙行く いつもの路の 曲がり角

  67. 友と見る 川面にかかる 桜かな

  66. 降りしきる 春雨の中 入学式

  65. 新入生 前を見つめる 眼の光

<平成15年4月6日>



  64. 春眠や 弁当作りは 速攻で

  63. 誰にでも 敗者復活戦があっていい

<平成15年3月30日>



  62. 紅梅や 新しき人迎う 友の家

<平成15年3月28日>



  61. せせらぎや 父と息子の 春散歩

  60. 春の陽や 谷川岳に 残る雪

<平成15年3月24日>



  59. 辛夷咲く 彼岸参りの にぎわいて

  58. イカナゴに 似合いのうまき 飯を炊く

  57. 夜桜や 妖しい女の 舞台かな

  56. 遠景に富士 近景に桜かな

  55. 梅終わり 回転寿司で トロを食う

<平成15年3月23日>



  54. 勉強会 参加者少なし 春日和り

  53. 春雷や 開戦悲し 誕生日

<平成15年3月22日>



  52. 春の香や 荷をほどく手の 速まりて

<平成15年3月19日>



  51. 春光や 娘大学 独立す

  50. 春野菜色のスカーフ ゆるり巻く

<平成15年3月18日>



  49. 襟巻は 庭に一泊 水温む

  48. ドレッシング 替えてみようか 水温む

<平成15年3月8日>



  47. 雨音が 胸に連打す 卒業式

  46. 雛菊や 義父とケーキを 食べにけり

  45. 小さき丈に 寄り添い咲きて さくら草

<平成15年3月3日>



  44. 雛祭り 女三代 揃いけり

<平成15年2月28日>



  43. 春花壇 日毎黒土 隠れけり

  42. はこべらを 湯がく時間を 気づかいて

  41. 春光や 受験終りて 娘笑む

  40. ひなファミリー こちらの家族を 見守りて

<平成14年7月27日>



  39. 群をなし 天神平に 舞うトンボ

  38. ロープウェイ 下は紫陽花 シモツケソウ

<平成14年7月18日>



  37. 蓮の実や 長き眠りの 覚めるとき

  36. 蓮の花 いにしえ人の 暮らす里

<平成14年5月12日>



  35. バラの香を せっけんのにおいと 言う娘

<平成14年5月6日>



  34. 酔うほどに 気高く香る 藤の花

        (おばあちゃんの作品)

<平成14年4月21日>



  33. 夫といて 穀雨に濡れた 庭を見る

<平成14年4月20日>



  32. 風薫る 淡い緑を 1人じめ

<平成14年4月16日>



  31. 白牡丹 香気が人を 振り向かす

<平成14年4月15日>



  30. 綿菓子と どこか似ており 花牡丹

  29. シャボン玉 中に秘めをり 遠き過去

<平成14年4月9日>



  28. 八重桜 母の大きな 笑い声

<平成14年4月4日>



  27. 桜の木 コブシ・レンギョウ 額縁に

  26. ショカツサイ 原田泰治の 描く里

  25. 春霞 山は墨絵に 染まりけり

<平成14年3月31日>



  24. 友が煮く いかなご届きて 春が来た

  23. しばらくは 朝飯楽し 釘煮あり

<平成14年3月30日>



  22. 青空と 桜、菜の花 他は無し

  21. 菜の花に 女三人 埋もれる

  20. 弁当に 桜の花びら 加われり

<平成14年3月20日>



  19. 祖母も見よ 彼岸に満開 桜かな

  18. なんびとも 無口になるよ 花の下

<平成14年3月15日>



  17. 春の陽や ブロッコリーの 黄色花

  16. 大根の 胴よりりっぱな 葉っぱかな

<平成14年3月11日>



  15. 春耕や 義父もぶらりと 顔を出し

<平成14年3月7日>



  14. 川土手も 私も若草 色まとい

<平成14年3月5日>



  13. 春一番 スカートはいて 出かけたし

  12. 園芸店 花見る人に また会えり

<平成14年3月2日>



  11. ヒヤシンス 香り一間で おさまらず

  10. 木の芽ふく 男包丁 夕ごはん

   9. 春光や 女鏡に 魅入られし

<平成14年2月27日>



   8. 夕暮れや 車窓に映る 春景色

<平成14年2月26日>



   7. 紙雛や テレビ台にて 何想う

   6. 蘭の花 雛出す頃は 邪魔にされ

   5. ウオーキング なにやら嬉し 春の宵

<平成14年2月24日>



   4. 山里は 桜、梅、蜜柑で 埋まりけり

   3. 空澄んで 二月に出会う 桜かな

   2. 富士山や 人穏やかに 微笑むる

   1. 菜の花や 段々畑が 見渡せり