質問<218>2000/1/26
表面積が一定である直方体のうちで、体積が最大なものは、 立方体であることを証明せよ。 高校3年生の陣内です。 先生、どうかよろしく、ご指導お願いいたします。
お返事2000/1/27
from=武田
表面積S=2ab+2bc+2ca……① 体積V=abc……② 表面積が一定k(>0)だから、①を変形して、 2ab+2c(b+a)=k k-2ab c=────── 2(a+b) これを②に代入すると、 k-2ab -2a2b2+kab V=ab・──────=───────── 2(a+b) 2(a+b) したがって、Vはa,bの2変数関数だから、 極値をもつのは、偏導関数が、 ∂V ∂V ──=0、 ──=0のときだから、 ∂a ∂b ∂V (-4ab2+kb)2(a+b)-(-2a2b2+kab)2 ──=──────────────── ∂a 4(a+b)2 -8a2b2+2kab-8ab3+2kb2+4a2b2-2kab =──────────────── 4(a+b)2 -4a2b2-8ab3+2kb2 =────────────── 4(a+b)2 -2b2 =───────・(2a2+4ab-k) 4(a+b)2 ∂V ──=0とすると、 ∂a a>0,b>0より、 2a2+4ab-k=0 2a2+4ab-{2ab+2c(b+a)}=0 2a2+2ab-2c(b+a)=0 2a(a+b)-2c(b+a)=0 2(a+b)(a-c)=0 a-c=0より、a=c……③ ∂V ──=0のときも同様にして、b=c……④ ∂b ③④より、極値をもつのはa=b=cのときである。 したがって、立方体のときVは最大となる。 (極値が極大になるのは……?) (別解) 相加平均と相乗平均の関係を使う。 「いくつかの正数の和が一定のとき、それらの数の積が最大 になるのは各数が相等しいときである。また、いくつかの正 数の積が一定のとき、それらの数の和が最小になるのは各数 が相等しいときである。」より、 表面積S=2ab+2bc+2ca=k(一定)より、 (ab)+(bc)+(ca)=k/2(一定) 各数は正数。 それらの積は (ab)・(bc)・(ca)=a2b2c2 =(abc)2 体積V=abcが最大になるのは、(abc)2が最大に なることだから、 (ab)=(bc)=(ca) ∴a=b=c 立方体のとき体積Vは最大となる。 別解の方が易しいですね。