質問<2587>2005/9/17
from=確率論?統計学?
「確率・統計の問題です」


こちらにも同様な質問がありますが、
より詳しい解答をお願いしたいです。

●離散型確率変数X,Yの分布は
P(X=xi)=pi(i=1,2),P(Y=yj)=qj(j=1,2)である。

●P(X=xi,Y=yj)=rij(i,j=1,2)とするとき
ri1+ri2=pi,r1j+r2j=qj(i,j=1,2)が成立する事を
確率の公理①②③等を用いて示せ。

①(X=x1)∪(X=x2)=(Y=y1)∪(Y=y2)=Ω
②(X=x1)∩(X=x2)=(Y=y1)∩(Y=y2)=φ
③(X=xi)=(X=xi)∩Ω,(Y=yj)=(Y=yj)∩Ω

『のぞまれる考え方』

ri1+ri2
=P(X=xi,Y=y1)+P(X=xi,Y=y2)
=P((X=xi)∩(X=y2))+P((X=xi)∩(X=y2))
となるが、ここで確率の公理②を使う。すなわち
P((X=xi)∩(X=y2))+P((X=xi)∩(X=y2)) の式を導き
A=(X=xi)∩(X=y2)、B=(X=xi)∩(X=y2)とし、
A∩B=...=φであるから、
確率の公理P(A)+P(B)=P(A∪B)をつかい証明が必要とのアドバイスをいただきました。
どうぞよろしくお願いします。

★希望★完全解答★

お便り2005/11/7
from=亀田馬志


ええとですねえ・・・・・・もう僕自身が『確率・統計』大っ嫌いなんで、本当にこう言う
問題かかわり合いたくないんですよ(笑)。いや、マジで(笑)。出来ればスルーした
いんです(笑)。
まあ、今個人的に『確率・統計』勉強してはいるんですが、本当はこう言う問題誰か
別の人やってくれればなあ、とか思っています(笑)。でも同時に『苦手に感じてる』
ってのも分かるんですよね。その『イヤさ加減』が(笑)。
ええとね、多分『代数的』な解法としては、問題<2462>、それと問題<2481>での
Anonymous Cowardさんの示唆以上に素晴らしい回答は無いでしょう。ところが、問題
はむしろ質問者の方で、『これは一体どう言う問題なのか?』全くイメージが欠損し
てるような状態のままで、数式弄くってドツボに嵌ってるんじゃないかと、そんな印
象を受けるわけです。
この問題はですね、『証明せよ』が無ければ、実は大変単純な事を示唆してるだけ
です。そのコトが分かってから、『証明』に入った方がイイでしょう。そうすると、
Anonymous Cowardさんの仰ってる意味がおぼろげながら分かってくると思います。

実はアンケートの集計であるとか、もっと難しい『分散分析法』とか『2元配置法』
とか言われる統計手法が色々とあるんですが、そう言う難しい話はさて置き、統計の
一手法としてそれぞれ共通している事は、表を活用すると言う事です。通称『クロス
集計』と言われる方法です。
この問題の場合は、確率変数X,Yってのが2つあって次のように配置してみたらどうな
るか、って単にそれだけの話なんです。
ちょっと見難いかもしれませんが、取り合えずやってみましょうか?

        確率変数|  y1  y2 |周辺確率
        ―――――――――――――――
           x1   | r11  r12 |  p1
           x2   |  r21  r22 |  p2
        ―――――――――――――――
            周辺確率|   q1   q2 |  1

この問題の場合は確率変数がXとYが二つあって、それでイヤに見えるんですね。
しかし、もし1変数だったらそんなに難しくない問題なんです。こう言った分布を
『ベルヌーイ分布』と呼ぶのですが、この場合特に『2変量ベルヌーイ分布』と呼び
ます。
こう言う確率変数が2つ以上ある確率密度関数(確率分布)を『同時確率密度関数』
とか『同時分布』とか言うんですが、この『2変量ベルヌーイ分布』はその中の最も
単純なものです。
さて、ここでちょっと問題を見てみると、

『●離散型確率変数X,Yの分布は
P(X=xi)=pi(i=1,2),P(Y=yj)=qj(j=1,2)である。』

クロス表見て下さい。最初のP(X=xi)=piは『横に』足していったらそのまんまになっ
ていますよね?xの添え字、i=1の時はp1ですし、i=2の時はp2です。
今度は『縦に』足していくと、yの添え字、j=1の時はq1ですし、j=2の時はq2です。
お分かりでしょうか?
要するに、問題の

『●P(X=xi,Y=yj)=rij(i,j=1,2)とするとき
ri1+ri2=pi,r1j+r2j=qj(i,j=1,2)が成立』

するのは表を見ると明らかなんです。そして、この様なp,qを特に『周辺確率』と呼
び、この問題の場合ですと、p1+p2=1、q1+q2=1ってのをそれぞれ満たしています。
これが確率の公理①の部分なんですね。
(Xがx1またはx2になるのは、Yがy1またはy2になるのに等しく、それは全事象である、
って読めばいいのかな?要するに根源事象を少々乱暴に定義すると
Ω={(x1,y1),(x1,y2),(x2,y1),(x2,y2)}にならざるを得ないんです。)
同様に、表を見ると、事象x1とx2が同時には起こりえませんし、事象y1とy2も互いに
は『独立』です。これが公理②の部分で、互いに独立なら『かつ=∩』の部分はあり
得ませんので、それは当然空集合(φ)になります。
公理③に関しては・・・・・・これはイイでしょう。表見ると自明です。
とまあ、こんな感じでしょうか?クロス表使えば式の意味する事も分かり易いと思う
ので、証明も簡単に思えるハズです。