質問<2591>2005/9/20
from=pn
「複素積分について」


f(a)=1/2πi∫c(f(z)/(z-a))dz という公式にそのまま当てはまるような問題なら
良いのですが、∫c1/(z^4-1)dz のようにzが高次のときの積分値の求め方が
分かりません。
あと、問題には必ず点と半径が書かれてあるのですが、その意味も分かりません。
∫cz^2/(z+i)dzのような問題では半径も点も使わずに解けたので。
ちなみに、∫c1/(z^4-1)dzではlz-1l=1と書いてあります。
複素積分の基礎ができてないので、
突拍子な質問かもしれませんがよろしくお願いします。
急いでいますので、お願いします。

★希望★完全解答★

お便り2005/9/21
from=UnderBird


f(a)=1/2πi∫c(f(z)/(z-a))dz の被積分関数f(z)/(z-a)は、z=aのとき
分母が0より値が確定しません。このような点を特異点といいます。
z=aを中心とする半径rの円内でf(z)のほうはそうならない(これを正則と
いう)とき、上記のコーシーの積分公式が成り立つわけです。
高次の場合も特異点が1位の場合(1乗)はこの公式でOKですが、
高次の場合は少し公式が違うので注意。

∫cz^2/(z+i)dzのような問題で、積分路内にz=-1が含まれなければ、
積分の値は0ですし、z=-1を含めば積分公式を使うことになりますので、
”半径も点も使わずに解けたので”というのは誤りです。

∫c1/(z^4-1)dz lz-1l=1
ですが、
∫c1/(z^4-1)dz=∫c1/(z-1)(z+1)(z-i)(z+i)dz
              =∫c[1/{(z+1)(z+i)(z-i)}]/(z-1)dz
と考えます。
すなわち、被積分関数1/(z^4-1)の得意点はz=1,-1,i,-iですが、
|z-1|=1内に含まれるのはz=1のみですから1/{(z+1)(z+i)(z-i)}は
この円内では正則。
よって、 1/{(z+1)(z+i)(z-i)}を一番上の公式のf(z)とおくと、
f(1)=1/2πi∫c([1/{(z+1)(z+i)(z-i)}]/(z-1))dz
より積分の値は、πi/4となる。