質問<3428>2006/10/4
from=マコト
「三角関数の逆関数のグラフ」


f(x)=sinx (-π/2≦x≦π/2)の逆関数について
(1)実数xに対して、y=f(sinx)の逆関数のグラフをかけ
という問題なんですが・・・

★完全解答希望★

お便り2006/10/10
from=S~(社会人)


こんにちは。ご無沙汰しています。メールをいただき、また投稿してみます。

( 答案 )
(イ) y=f(sin(x))=sin(sin(x))=h(x) … (1)
 とおくと、任意の実数 a について、
lim_[x→a]h(x)=lim_[t→0]h(a+t)
 =lim_[t→0]sin(sin(a+t))=sin(sin(a)=h(a)
したがって、全実数域で y=h(x) は連続である。

(ロ) また、 u=f(x)=sin(x) とおくと、
 y=f(u)=sin(u) で、 dy/du
  =dsin(u)/du=cos(u)
一方、 du/dx=dsin(x)/du=cos(x)
よって、合成関数 y=h(x)=sin(sin(x))=f(sin(x))
          =f(f(x))=f(u) の導関数について、
dy/dx=dy/du * du/dx=cos(u) * cos(x)
     =cos(sin(x)) * cos(x)
しかして、定義域 -π/2≦x≦π/2 に対して、 -1≦sin(x)≦1 
であるから、 x=±π/2 のとき dy/dx=0、 -π/2<x<π/2 
のとき dy/dx>0、 h(-π/2)=sin(-1)、h(π/2)
                    =sin(1) 
で、 h(x) は定義域で単調に増加する。
ゆえに、定義域で y と x は一対一の対応となり、ここにおいて一つの 
y の値に対して一つのかつ一つだけの x が存在する。
したがって、 y=h(x) は定義域 sin(-1)≦y≦sin(1) において
逆関数 x=g(y) が存在する。

(ハ) x=g(y) から、 sin(x)=sin(g(y))
y=sin(sin(x)) から sin^(-1)(y)=sin(x)
よって、 sin(g(y))=sin^(-1)(y) で g(y)
        =sin^(-1)(sin^(-1)(y))
ここで、 g(y) を元の関数と同一座標平面上に描くとすると、 
y ( sin(-1)≦y≦sin(1) ) を x に書き換えて 
g(x)=sin^(-1)(sin^(-1) 
(x))
しかして、 y=sin^(-1)(sin^(-1)(x)) 
( sin(-1)≦x≦sin(1) ) … (2) が逆関数の式となる。

(ニ) 上から、 (1) と (2) のグラフは x と y を入れ替えた関数
のものであることが判るから、 求める関数のグラフは 
y=sin(sin(x)) ( -π/2≦x≦π/2 ) のグラフ 
と直線 y=x に関して対称のものとなる。 … ( 答 )

(注) y=sin(sin(x)) ( -π/2≦x≦π/2 ) のグラフは、
両端点 (-π/2,sin(-1))、(π/2,sin(1)) で傾きが 0、
原点(0,0)で傾きが 1 となる、正弦曲線に似た、斜めの S 字型をした
曲線です。これを直線 y=x で折り返したものが求めるグラフです。