質問<368>2000/11/23
from=原田佳彦
「場合の数」


X,Y,Z,Wの4種の文字をXも連続せず、Yも連続せず、Zも連続しないが、
Wは連続しても構わないという制限の下で、n個を1列に並べる場合の
総数Snについて次の問に答えよ。
問1.S2を求めよ。
問2.S3を求めよ。
問3.S5を求めよ。

以上よろしくお願いします
              静岡県 教員 原田佳彦


お返事2000/11/23~28
from=武田


一部ミスがありました。訂正を赤字でしてあります。
問1
xyz w  ①②
1 1 0  ★☆  3 2 =3・2=6通り
 1  1  ★w  3 1 2 2 =3・1・2・1=6通り
 0  2  ww  1通り
したがって、
S2 =6+6+1=13通り ……(答)

問2
x y z  w  ①②③
 2 1   0  ★☆★  3 2 =3・2=6通り
1 1 1  0  ★☆▲  3 3 =3・2・1=6通り
  2    1  ★w★  3 1 =3通り
 1 1   1  ★☆w  3 2 3 3 =3・3・2・1=18通り
  1    2  ★ww  3 1 ・3!/(1!・2!)=×3=9通り
  0    3  www  1通り
したがって、
S3 =6+6+3+18++1=43通り ……(答)

問3
x y z  w  ①②③④⑤
 2 3   0  ★☆★☆★  3 2 =6通り
1 1 3  0  ★☆★▲★  3 1 2 2 =6通り
2 2 1  0  ★☆★☆▲  3 2 ・{5!/(2!2!1!)-2・4!/(2!1!1!)+3!}=36通り
 1 3   1  ★☆★w★  3 1 2 1 2 2 =3・2・2・1=12通り
 2 2   1  ★☆★☆w  3 2 ・{5!/(2!2!1!)-2・4!/(2!1!1!)+3!}=36通り
2 1 1  1  ★☆★▲w  3 1 ・{5!/(2!1!1!1!)-4!}=108通り
  3    2  ★w★w★  3 1 =3通り
 2 1   2  ★☆★ww  3 2 ・{5!/(2!1!2!)-4!/(2!1!1!)}=108通り
1 1 1  2  ★☆▲ww  5!/(2!1!1!1!)=60通り
  2    3  ★w★ww  3 1 {5!/(3!2!)-4!/(3!1!)}=18通り
 1 1   3  ★☆www  3 2 ・5!/(3!1!1!)=60通り
  1    4  ★wwww  3 1 ・5!/(4!1!)=15通り
  0    5  wwwww  1通り
したがって、
S5 =6++36+12+36+108+3+108+60+18+60+15+1
  =469通り ……(答)

※下の関谷さんの解答と比べて、一部ミスを発見しました。


お便り2000/11/27
from=Toshio Sekiya


(素晴らしいアイデアの解答が寄せられました。感謝感激!! 武田)

武田先生こんにちは
今日先生のHPをみていたら、質問368が私のところにも来ていた問題でした。
私のほうの結果と違っているので、答えを吟味していただけたら幸いです。以下その
答案です。

S2やS3だけなら、がんばって数えていけば何とかなりますが、
S5あたりでは、少々厳しくなってきます。
そこで、この列の性質を分析して、もっと良い方法を見つけたいのです。
考えられる方法の1つに漸化式があります。
これは、SnからSn+1を導く式を作るというものです。
n+1個並んだ列を考えます。
その列のはじめからn個を取った列も、問題の条件を満たしていることは明らかで
す。
そこで、n個の列を1つ取ったときに、その後ろに加えられる文字が何通りあるかを
調べれば、
Sn+1が分かります。
この後ろに来る文字の場合の数は、はじめのn個の文字の列の最後の文字がWか、
それ以外かによって異なります。
最後にWが来た場合・・・次の文字はX,Y,Z,Wの4通り
最後にW以外(X,Y,Z)が来た場合・・・・次の文字は最後の文字と異なる文字
3通り
そこで、Snを次の2つの場合に分けて考えると良いでしょう。
Pn ・・・ 最後にWが並ぶ、n個の文字の列の総数
Qn ・・・ 最後にW以外の文字(X,Y,Z)が並ぶ、n個の文字の列の総数
もちろん、Sn=Pn+Qnになります。

n個の列の最後にWがあって、その次に、Wが加わる場合 ・・・・・・・ 1通り
n個の列の最後にWがあって、その次に、X,Y,Zが加わる場合 ・・・ 3通り
n個の列の最後にW以外があって、その次に、Wが加わる場合 ・・・ 1通り
n個の列の最後にW以外があって、その次に、X,Y,Zが加わる場合 ・・・ 2
通り
 これは、最後に来る文字と同一の文字は加えられないので、最後に来る各文字に対
して2通りずつあります。
以上の4つの場合から考えて、
Pn+1=Pn+Qn
Qn+1=3Pn+2Qn  ・・・・・・・・[1]

では、[1]の漸化式を使って、答えを出してみましょう。
P1=1
Q1=3
です。

P2=P1+Q1=1+3=4
Q2=3P1+2Q1=3+2×3=9

P3=P2+Q2=4+9=13
Q3=3P2+2Q2=12+18=30

P4=P3+Q3=13+30=43
Q4=3P3+2Q3=39+60=99

P5=P4+Q4=142
Q5=3P4+2Q4=129+198=327

これより、
   {S2=4+9=13
(答){S3=13+30=43
   {S5=142+327=469