質問<381>2000/12/24
from=ぷりん
「確率」


こんにちわ。ご無沙汰してます,ぷりんです。
質問させてください。確率についてです。

Q,3個のサイコロを同時に投げるとき出る目の和が9になる確率を
  求めよ。

Q,サイコロをn回投げるときk回目に出る目の数をXkとし、Ynを
  X1.X2.X3...............Xnの積とする。
  Ynが3の倍数であるが15の倍数ではない確率を求めよ。


お返事2000/12/24
from=武田


問1
3個のサイコロの目の和が9になるのは、次の場合で、その場合の数は、
1+2+6 3 3 =3!=6通り
1+3+5 3 3 =3!=6通り
1+4+4 3!/(1!2!)=3通り
2+2+5 3!/(1!2!)=3通り
2+3+4 3 3 =3!=6通り
3+3+3 1通り
したがって、
n(A)=6+6+3+3+6+1=25通り
n(U)=6×6×6=216通り
       25
∴P(A)=─── ……(答)
      216

問2
樹形図を書いて、積が3の倍数で、15の倍数でない場合を書き出すと、
             2 1
n=1のとき、P(Y1 )=─=─
             6 3


n=2のとき、
1*3 2 2 =2!=2通り
1*6 2 2 =2!=2通り
2*3 2 2 =2!=2通り
2*6 2 2 =2!=2通り
3*3 1通り
3*4 2 2 =2!=2通り
3*6 2 2 =2!=2通り
4*6 2 2 =2!=2通り
6*6 1通り
したがって、
2×7+1×2=16通り
      16 4
P(Y2 )=──=─
      36 9

n=3のとき、
全部書きだして数えると、確率は
       98  49
P(Y3 )=───=───
      216 108

以上の計算をする中で、分析をすると、
n=2のとき、
   3  2     2   12+4 16 4
2C1(─)(─)+2C2(─)2 =────=──=─
   6  6     6    36  36 9

n=3のとき、
   3   2     3  2      2
3C1(─)2 (─)+3C2(─)(─)2 +3C3(─)3 
   6   6     6  6      6

 54+36+8  98  49
=───────=───=───
   216   216 108

この2つから、二項定理で表現すると、
n=2のとき、
  3   2     3    5   3   25-9 16 4
{(─)+(─)}2 -(─)2 =(─)2 -(─)2 =────=──=─
  6   6     6    6   6    36  36 9
^^^^^^^^^^^^^^^^^^       ~~~~~~~~~~~~
  二項定理           ここに注目

n=3のときも同様にして、
 5    3   125-27  98  49
(─)3 -(─)3 =──────=───=───
 6    6    216   216 108

以上から類推して、
       5    3
P(Yn )=(─)n -(─)n  ……(答)
       6    6

(別解)
上の解法だと、すべてのnについて言えるかどうか確認が出来ないので、
以前勉強した「漸化式」で解いてみよう。

そのため、2つの場合に分けて考える。
Pn ・・・ n個の積の中に、少なくとも一つは3の倍数が入る確率
Qn ・・・ n個の積の中に、全く3の倍数が入らない確率
もちろん、どちらも、n個の積の中に、5の倍数は入らないとする。
{       5    2
{Pn+1 =Pn・─+Qn・─
{       6    6
{
{            3
{Qn+1 =Pn・0+Qn・─
{            6
この漸化式を行列で表現して、
(Pn+1 ) (5/6 2/6)(Pn)
(   )=(       )(  )
(Qn+1 ) ( 0  3/6)(Qn)

    (5/6 2/6)            5   3
行列A=(       )の固有値を計算して、α=─,β=─
    ( 0  3/6)            6   6
固有値から
    (1  1)     (-1 -1) (1  1)
行列B=(    ),B-1=-(     )=(    )
    (0 -1)     ( 0  1) (0 -1)
したがって、
     (5/6  0 )
B-1AB=(       )より、
     ( 0  3/6)
両辺をn乗して、
      ((5/6)n   0 )
B-1n B=(          )
      ( 0  (3/6)n )

   (1  1)((5/6)n   0 )(1  1)
An =(    )(          )(    )
   (0 -1)( 0  (3/6)n )(0 -1)

   ((5/6)n  (5/6)n -(3/6)n )
  =(                    )
   (  0         (3/6)n   )

(Pn+1 ) (5/6 2/6)(Pn) (5/6 2/6)n (P1)
(   )=(       )(  )=(       )・(  )
(Qn+1 ) ( 0  3/6)(Qn) ( 0  3/6) (Q1)

      ((5/6)n  (5/6)n -(3/6)n )(2/6)
     =(                    )(   )
      (  0         (3/6)n   )(3/6)

      ((5/6)n ・(2/6)+{(5/6)n -(3/6)n }・(3/6))
     =(                                 )
      (           (3/6)n ・(3/6)          )

したがって、
Pn+1=(5/6)n ・(2/6)+{(5/6)n -(3/6)n }・(3/6)
   =(5/6)n ・(2/6+3/6)-(3/6)n+1
   =(5/6)n+1-(3/6)n+1

∴Pn=(5/6)n-(3/6)n ……(答)


お便り2001/1/3
from=ぷりん
あけましておめでとうございます。ぷりんです。今年も質問させてください。

Q,サイコロをn回投げるときk回目に出る目の数をXkとし、Ynを
  X1.X2.X3...............Xnの積とする。Ynが3の
  倍数であるが、15の倍数ではない確率を求めよ。

これはこの前質問した問題ですが,私は公立高校で進度が速くないため,
まだ二項定理や漸化式を習っていないので解答を読んでも分かりません。
他に解く方法はありませんか?


お返事2001/1/3
from=武田


上の解答に独りよがりで満足していたところ、再度質問があり、自分の
解答に対して、反省した次第です。

二項定理や漸化式を使わないで解くとなると、習う前の高校生が知って
いる知識で考えなくてはなりません。

そこで思いついたのが、「少なくとも1つ」の解法です。
積が3の倍数となるのは、n個の積の中に少なくとも1つ3の倍数(3
と6)が入っている必要があるので、「少なくとも1つ」の解法が使え
ます。
普通は1から否定の「全部3の倍数でない」を引くと良いわけですが、
15の倍数を除くことになるので、「5」を省きますから、5/6から
引くことになります。全部3の倍数でないは、当然5も除きますから、
1と2と4のサイコロの目の確率3/6となります。
n個の積より、
 5    3
(─)n -(─)n  ……(答)
 6    6

いやはや簡単でしたね。