質問<926>2002/8/21
from=ももっち
「複素数」


x3の係数が1である実数係数の3次式f(x)について
αが方程式f(x)=0の解ならば、α2も解であるという。
この時、
(1)方程式f(x)=0の解の絶対値は0または1であることを証明せよ。
(2)この方程式が異なる3つの解を持つ時、f(x)=0を求めよ。

方針すら立ちませんでした・・・。よろしくお願いします。


お便り2002/8/22
from=Tetsuya Kobayashi


こんにちは。

(1) |z^2|=|z|^2 。
f(x)=0 の3解の絶対値を a, b, c とする。
(すなわち、a, b, c は0以上の実数。)
(ア) a=a^2 のとき、a=0, 1 。
(イ) a=b^2 のとき、
     (あ) b=a^2 のとき、a=a^4 ∴ a=0, 1 。
     (い) b=b^2 のとき、b=0, 1 ∴ a=0, 1 。
     (う) b=c^2 のとき、
          (A) c=a^2 のとき、a=a^6 ∴ a=0, 1 。
          (B) c=b^2 のとき、b=b^4 ∴ b=0, 1 ∴ a=0, 1 。
          (C) c=c^2 のとき、c=0, 1 ∴ b=0, 1 ∴ a=0, 1 。
(ウ) a=c^2 のとき、(イ) と同様にして a=0, 1 。
以上より、a=0, 1 。
同様にして b=0, 1 、c=0, 1 

(2) f(x) は3通り。(conj(z) は z の共役複素数。)
(ア) f(x)=0 が相異3実解を持つとき、
  (1) より解 x=-1, 0, 1 でなければならない。
     このとき f(x)=(x+1)x(x-1)=x^3-x 。
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(イ) f(x)=0 が1実解と2共役虚解を持つとき、
  実数は2乗しても実数なので、
  f(x)=0 の実解を x とおけば、x^2=x ∴ x=0, 1 。
  また虚数の2乗が0または1または自分自身になることはないので、
  虚解の1つを z とおけば、
  z^2=conj(z) 
  ここで |z|=1 だから、両辺に z を掛けて、
  z^3=1 。
  すなわち、f(x)=0 の2共役虚解は1の2つの原始3乗根に等しい。
  したがって、f(x)=x(x^2+x+1)=x^3+x^2+x 
                                ~~~~~~~~~
  または f(x)=(x-1)(x^2+x+1)=x^3-1 。
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