質問<133>99/4/17
from=コウスケ
「写像と逆関数」


こんにちは。度々すいません。
写像について少し教えて下さい。

まず、1対1の定義がよくわかりません。
参考書によって微妙に書き方が違うので。

後、1対1の時のみ逆関数が
存在するという理由がわかりません。
グラフが1つに定まらないと言われればそれまでですが、
きちんと証明が欲しいのです。

それから逆関数ともとの関数が、y=xについて
対称だというのも証明がわかりません。

最後にy=f(x)の逆関数を求めるときに、
この式をxについて解いて、そのあと
yとxを入れ替えると逆関数が得られる
というのもどうしてなのかわかりません。

たくさん質問して申し訳ありません。
よろしくお願いします。


お返事99/4/19
from=武田



2つの集合間を結ぶ写像(map)があるとき、その結び方
はいろいろあります。上の図のように、野菜の集合のニンジ
ンとタマネギが共に100円だとすると、2対1の関係にあ
ります。ふつう1対1の場合はそう多くはありません。
2つの集合が共に数で出来ているとき、この写像を関数とい
います。1対1は、1次関数や指数関数のときに見られます
が、2次関数や三角関数は多対1となり、逆関数を考えると
き困難となります。
x→yの逆方向のy→xが逆関数ですが、指数関数の例で紹
介してみますと、関数y=2xを「x=」型に直すと、
対数関数x=log2yという逆関数となります。
しかしグラフ化すると、グラフ化の原則「xの変化に対して、
yの変化を求め、その組(x,y)を点として連続的に描く」
のため、この対数関数のままではグラフ化が出来ないので、
xとyを入れ替え、対数関数y=log2xとして、
描くことになります。したがって、これを逆関数と言っていま
す。集合論的な逆関数のイメージとグラフ化の逆関数の間に
若干の落差が出来てしまうのが残念です。

この落差を埋めるのに便利なのが、直線y=xに関して線対
称と考えることです。指数関数y=2x上の点(2,4)
と対数関数y=log2x上の点(4,2)が直線y=x
に関して線対称になっています。
「きちんとした証明が欲しい」という要求には、勉強不足な
私は答えられませんので、大学の先生に質問してみて下さい。
自分で調べてみるのも、写像の概念を理解するのに役立つか
もしれません。