質問<1368>2003/8/27
from=藍夏
「双曲線の性質」


「楕円の接線にその焦点から下ろした垂線の足は定円周上にある。」
「双曲線上の任意の点Pから2つの漸近線に下ろした垂線の足を
Q,RとするときPQ・PRは一定である。」
の2つの証明を教えてください。


お便り2003/9/3
from=Tetsuya Kobayashi


(1) 
楕円を x^2/a^2+y^2/b^2=1 (a>b>0) と置く。
この楕円に (acosθ,bsinθ) で接する接線の方程式は、
        (cosθ/a)x+(sinθ/b)y=1
で、その方向ベクトルは
        (sinθ/b,-cosθ/a)
となる。楕円の焦点を F(√(a^2-b^2),0) とすると、焦点から接線への
垂線の方向ベクトルは
        (cosθ/a,sinθ/b)
となる。よって、垂線の足を (x_0,y_0) と置くと、
        x_0 = acosθ+(sinθ/b)t = √(a^2-b^2)+(cosθ/a)s ,
        y_0 = bsinθ-(cosθ/a)t = (sinθ/b)s
と書ける。ここで t を消去すると、
        ((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)s = 1-(cosθ√(a^2-b^2))/a …(*)
となる。さて、
(x_0)^2+(y_0)^2
= a^2-b^2+((2cosθ√(a^2-b^2))/a)s+((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)s^2
= a^2-b^2+2(1-((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)s)s
             +((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)s^2
= a^2-b^2+2s-((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)s^2
となるが、実は
        -b^2+2s-((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)s^2 = 0 …(**)
である。
というのは、(**)において s を X で置き換えて X の二次方程式として
これを解くと、
X = (1±√(1-b^2((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)))/((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)
 = (1-(cosθ√(a^2-b^2))/a)/((cosθ)^2/a^2+(sinθ)^2/b^2)
であり、(*)から X=s が根なのである。したがって、
        (x_0)^2+(y_0)^2 = a^2
となり、a は定数であるから、題意は示された。

(2) 
双曲線を x^2/a^2-y^2/b^2=1 と置く。漸近線は bx±ay=0 。
この双曲線上の点 (a/cosθ,btanθ) と二本の漸近線との距離はそれぞれ
|b(a/cosθ)+a(btanθ)|/√(b^2+a^2), |b(a/cosθ)-a(btanθ)|/√(b^2+a^2)
であり、掛け合わせると
ab|1/(cosθ)^2-(tanθ)^2|/(b^2+a^2) = ab/(b^2+a^2)
となり、a, b は定数であるから、題意は示された。