質問<1377>2003/8/31
from=ハチ
「不等式の証明で。」


0<=X1,0<=X2,...,0<=Xn のとき、
(1+X1)(1+X2)...(1+Xn)<=e^(X1+X2+...+Xn)←eのX1+X2+...+Xn乗のことです。
を証明する問題なんですが、
解答は、
h(x)=e^X-(X+1)とおき、微分してh(X)がx>=0で連続、x>0でh(x)が単調増加で
あり、h(0)=0だから x>=0のときh(x)>=0と示し、
1+X1<=e^X1,1+X2<=e^X2,,,,1+Xn<=e^Xnの各辺をかけて、証明終了。
なんですが
僕がやったやり方で正解かどうか教えてください。以下に書きます。
(証明)
  両辺の自然対数をとると、
log(1+X1)+log(1+X2)+...+log(1+Xn)<=X1+X2+...+Xn 
fn(x)=(X1+X2+...Xn)-{log(1+X1)+log(1+X2)+...+log(1+Xn)} 
とおき fn(x)>=0を証明する。
ア) n=1のとき
  f1(x)=X1-log(1+X1)    f'1(x)=1-1/(1+X1)=X1/(1+X1)   
  X1>=0より f'1(x)>0 よってf1(x)はx>0で単調増加、
  またf1(x)はx>=0で連続であり、f1(0)=0 
  よってf1(x)>=0  n=1のとき成立。
イ) n=kのとき 成り立つと仮定
  n=k+1のとき、f'k+1(x)=(k+1)-{1/(X1+1)+...+1(Xk+1 +1)}    
  ここでf'k+1(x)-f'k(x)=1-1/(Xk+1 +1)  
  Xk+1>=0より 1-1/(Xk+1 +1)>=0 
  よってf'k+1(x)>=f'k(x)>=0  
  つまりf'k+1(x)>=0  
  fk+1(x)はx>=0で連続でx>0でf'k+1(x)>0  fk+1(0)=0 
  x>=0のときfk+1(x)>=0 よってn=kのときも成り立つ。
ア),イ)より、x>=0のとき成り立つ。 証明終了。


お返事2003/9/2
from=武田


関数をおくところが違っています。
普通、1変数関数より、
f(x)=x-log(1+x)
とおくことは良く、この関数については微分することができます。
         1
f´(x)=1-―――
        1+x

しかし、fn(x)=(X1+X2+...Xn)-{log(1+X1)+log(1+X2)+...+log(1+Xn)}
のような多変数関数では、微分も難しくなってしまいます。
解答のような f'k+1(x)=(k+1)-{1/(X1+1)+...+1(Xk+1 +1)} とは
なりません。

結局、
       x
f´(x)=―――
      1+x
x≧0より、f´(x)≧0
単調増加の関数f(x)となる。
f(0)=0-log(1+0)=0より、
f(x)≧0
x≧log(1+x)
x1,x2,………,xnより、
各辺を足して、
log(1+X1)+log(1+X2)+...+log(1+Xn)<=X1+X2+...+Xn 
が証明される。
logを使わないときと、さほどかわらない。


お便り2003/9/3
from=Tetsuya Kobayashi


正解です。というか、対数をとるかとらないかの違いだけで模範解答の方針
とあなたの答案の方針はほとんど同じといってよいでしょう。