質問<1485>2003/11/16
from=みっくん
「同値類」


再び、ご面倒かけます。分かりません。教えてください。
次の問題です。
 n∈N、a∈Z(nは1つに固定しておく)
 C(a)={x|x∈Z、x≡a(modn)}は、
合同による同値類であるが、「C(a)⊆C(b)、
C(a)⊇C(b)」を示すことによって、
次の証明をしなさい。
「b∈C(a)⇒ C(a)=C(b)」 


お便り2003/12/3
from=T.Kobayashi


群: 演算で閉じている、結合法則、単位元の存在、逆元の存在。

H が群 G の部分群(同じ演算で群になっている)のとき、
G の元 x に対して、
        xH := {xh; h は H の元}
を H による剰余類という。x を xH の代表元という。

[定理]
y が xH の元ならば、yH = xH 。

[証明]
xH の任意の元 y に対して、H の元 h が存在して、
        y = xh ..(1)
と書ける。

z が yH の元であるとき、H の元 h' が存在して、
        z = yh'
と書ける。(1)より、
        z = xhh' = x(hh')
で、hh' は H の元だから、z は xH の元である。
つまり、
        yH は xH の部分集合である。

また、w が xH の元であるとき、H の元 h" が存在して、
        w = xh"
と書ける。ところで、(1)の両辺に右から h~ (h の逆元)を掛けると、
        yh~ = x
よって
        w = yh~h" = y(h~h")
で、h~h" は H の元だから、w は yH の元である。
つまり、
        xH は yH の部分集合である。

以上まとめれば、
        yH = xH
が言えた。(証明終)

# 群論の基本定理の一つ!