質問<1692>2004/5/7
from=こむぎ
「命題・集合について」


はじめてメールさせていただきます。
まったくとっかかりも掴めず、悪戦苦闘しておりまして、
なんとかアドバイスのほうよろしくおねがいします。
今、命題・集合について勉強しているのですが、

Aが正しいときBは必ず正しい。
しかしBが正しいときにAも正しいわけではない
・・・等の問題に苦戦しております。

例えば、
1)1ヶ月に1回以上オーケストラのコンサートに行く人の中には、
  1ヶ月に1回以上オペラのコンサートに行く人がいる。

2)1ヶ月に1回以上オペラを鑑賞する人はみな、
  1ヶ月に1回以上オーケストラのコンサートに行く。

といった問題で
Aが正しいときBは・・・などの解答がうまく導き出せません。
どうかよろしくお願いします。


お便り2004/5/7
from=wakky


1ヶ月に1回以上オーケストラのコンサートに行く人の集合をPとしましょう。

『その中には』には1ヶ月に1回以上オペラのコンサートに行く人がいる。
これを集合Rとしましょう。

この命題が「真」である・・つまり例外なく正しいという前提で考えると。

『その中には』ということですから、
R⊆PつまりRはPの部分集合
「R要素(人)のすべてはPに含まれる(二つの集合が等しい場合も含む)」
となります。

つまり、Rに属する人は、必ずPに属することになります。

従って、
「この場合(この命題が真である場合)」
一ヶ月に1回以上オペラ鑑賞をする人=Rの要素はPに含まれますから、
必ず月に1回以上オーケストラのコンサートに行っていることになります。

男子高校生はサッカーが好きである。
この命題が「真」であるとは、男子高校生なら「例外なく」サッカーが好きだ
ということです。
もし、ひろし君がサッカーが嫌いなら・・・
つまりサッカーが嫌いな男子高校生が一人でも居たら、
この命題は「真」ではない。つまり「偽」であるといいます。
そして、ひろし君はこの命題の「反例」と言います。

次の命題はどうでしょうか?

★A=10かつB=10ならば A×B=100である。
これは小学生でも分かるように、この命題は「真」です。

A×B=100 ならば A=10かつB=10である。
(これを命題★の逆といいます)
これは必ずしもそうではないのはすぐわかりますね。
A=20,B=5 でもいいわけです。つまりこれが反例です。

A×B=100でないならば、A=10かつB=10ではない・・・
はどうでしょうか?
これは常になりたちますね。
これを命題★の対偶と言って、
ある命題が「真」のときその命題の対偶は「真」となります。

さらに、今後学ぶと思いますが、
必要条件、十分条件、必要十分条件(ここでは割愛しますが)は、
問題を解く上で重要になることがあります。

恒等式の係数決定における「数値代入法」は必要条件に過ぎませんから、
逆証して十分条件であることを示して初めて解決となります。
係数比較法においては、そのものが必要かつ十分条件なので逆証の必要は
ありません・・・などこれから様々な問題に直面すると思います。

なんか長々と書いてしまいました(笑)失礼しました。