質問<2109>2004/12/11
from=じんこ
「不等式と領域」


・x^2+y^2≦1のとき、次の各式のとる値の範囲を求め よ。
  ①xy      ②x^2-2xy+y^2

*あさって中間テストなんで早めにお願いしますっっ
(m--m)

★希望★完全解答★

お便り2005/2/2
from=KINO


中間テストはとっくの昔に終わってしまったかと思いますが・・・。

<解法その1>
1. 三角関数を知っていれば,次のように解くことができます。

x^2+y^2≦1 をみたす (x,y) の集合は原点中心,半径 1 の円板です。
そのような点と原点を結んだ線分が x 軸となす角をθ,
その線分の長さを r=√(x^2+y^2) とおくと,0≦r≦1,0°≦θ≦360°で,
x=rcosθ,y=rsinθ(極座標表示!)と書けます。
いま r を固定して,θを色々動かしてみましょう。
倍角の公式を用いると
xy=r^2cosθsinθ=(r^2sin 2θ)/2
となり,0°≦2θ≦760°なので sin 2θ は -1 と 1 の間の数を「くまなく」取ります。
よって,xy の取る値は区間 [-r^2/2,r^2/2] 全体です。
r を [0,1] の区間でいろいろ動かすと,r^2 も区間 [0,1] 全体を「くまなく」動きます。
したがって,xy の取る値の範囲は,-1 以上 1 以下の実数全てです。

2. 先ほどと同様に x=rcosθ,y=rsinθ とおくと,
x^2-2xy+y^2=r^2(cos^2θ+sin^2θ)-2r^2sinθcosθ=r^2(1-2sinθcosθ)
=r^2(1-sin 2θ).
やはり -1≦sin 2θ≦1 より,0≦1-sin 2θ≦2.
よって 0≦x^2-2xy+y^2≦2r^2 ということがわかり,
r が 0 と 1 の間を動くと 2r^2 は 0 と 2 の間をくまなく動くので,
結局 x^2-2xy+y^2 が取る値の範囲は,0 以上 2 以下の実数全てです。

<解法その2>
三角関数を知らない場合の解法の一例です。
制限条件 x^2+y^2≦1 と範囲を調べる式 xy,x^2-2xy+y^2 が x と y について
対称なので,
u=x+y, v=xy とおいて考えます。
こうおくと,
x^2+y^2=(x+y)^2-2xy=u^2-2v, xy=v, x^2-2xy+y^2=(x+y)^2-4xy=u^2-4v となります。
横軸に u 軸,縦軸に v 軸をとって uv 平面にグラフを描きながら考えます。
まず x^2+y^2≦1 の条件から,u と v の動ける範囲は u^2-2v≦1,
すなわち v≧(u^2-1)/2 となり,これは放物線 v=(u^2-1)/2 の「上側」になります。
しかしここで気をつけなければならないのは,u と v の動ける範囲には初めから
制限がある,ということです。
例えば,u=1, v=1 となるかを調べてみましょう。
そうなるためには,x+y=1,xy=1 となる x, y がなければなりません。
y=1-x を xy=1 に代入すると,x は2次方程式 x^2-x+1=0 をみたすことがわかりますが,
この判別式は 1^2-4×1=-3<0 となってこの方程式は解を持ちません 
(この方程式をみたす「実数」x がない,という意味です)。
つまり,u=v=1 となることはないのです。
というわけで,y=u-x を xy=v に代入して出てくる2次方程式 x^2-ux+v=0 が解を
持つような範囲しか u, v はもともと動けないことになります。
判別式が 0 以上にならなければならないという条件から,その範囲は u^2-4v≧0,
すなわち v≦u^2/4 となり,放物線 v=u^2/4 の「下側」の部分とわかります。
というわけで,
v≧(u^2-1)/2 と v≦u^2/4 で表されるふたつの領域の共通部分しか u, v は
動けないことになります。
それを uv 平面に図示しておいてから,問題に取り掛かります。
(自分で図を描いて以下の議論を確認してください。)

1. xy の取り得る値の範囲は v の取り得る値の範囲ですから,図を見ると
v が最も小さいのは v=(u^2-1)/2 の頂点 (0, -1/2) で v=-1/2,
v が最も大きいのは v=(u^2-1)/2 と v=u^2/4 の交点 (±√2, 1/2) で v=1/2.
図を見ると v はこのふたつの値の間をくまなく取るので,
v の範囲は -1/2 以上 1/2 以下となります。
これが xy の取り得る値の範囲です。

2. 今度は u^2-4v の取り得る値の範囲を求めます。k=u^2-4v とおき,
k の値をいろいろ変えて
放物線 v=(u^2-k)/4 のグラフを描き,それが上で求めた u と v の動きうる範囲
と交点を持つようなk の範囲を調べます。
まず,もともと u^2-4v≧0 だったので k≧0 がわかります。
k を 0 から大きくしていくと,v=(u^2-k)/4 のグラフは「下に」おりていきます。
ちょうど放物線 v=(u^2-k)/4 の頂点 (0,-k/4) と放物線 v=(u^2-1)/2 の
頂点 (0,-1/2) が重なるところまで,
つまり k=2 となるところまで交点を持ち続け,k がそれよりも大きくなると交点を
持たなくなります。
よって k の範囲は 0 から 2 まで,ということがわかり,<解法1>で求めたのと
同じ答えを得ます。


お便り2005/2/4
from=wowow


x^2+y^2≦1より
x=acosθ,Y=asinθ(0≦a≦1,0≦θ≦2π,aとθは独立)-(*)とおける。
よってxy=a^2sinθcosθ
    =1/2×a^2sin2θ
ここで(*)から、0≦a^2≦1,-1≦sin2θ≦1となり、
   -1≦asin2θ≦1
-1/2≦1/2×asin2θ≦1/2
故に-1/2≦xy≦1/2
またx^2-2xy+y^2=(y-x)^2
        =a^2(sinθ-cosθ)^2
        =2a^2sin^2(θ-π/4)
ここで(*)から、0≦2a^2≦2,0≦sin^2(θ-π/4)≦1となり、
0≦2a^2sin^2(θ-π/4)≦2
故に0≦x^2-2xy+y^2≦2