質問<2141>2005/1/4
from=DQN
「伊能忠敬の測量」


教えて下さい。

1辺仰角が分かっているときの他の2辺の距離はどうやって出すのでしょう。

伊能忠敬がおこなった計測方法だそうですが、単純化すると、
例えば山頂までの距離を算出するとき、A点で山頂までの仰角を測り、
その線上でxメートル離れたB点で山頂までの仰角を測れば、
1辺仰角が確定するので他の2辺が割り出せるとおもうのですが、
その計算式を教えて下さい。

★希望★完全解答★

お便り2005/2/16
from=自助努力


A 点における仰角を \theta_A, A 点から a 離れた B 点における仰角を
 \theta_Bとして、A 点から山頂までの距離を x, 山の高さを y とすると、
y / x       = \tan \theta_A,
y / (x + a) = \tan \theta_B,
したがって、
x = a \tan \theta_B / (\tan \theta_A - \tan \theta_B),
y = a \tan \theta_A \tan \theta_B / (\tan \theta_A - \tan \theta_B). □


お便り2005/2/17
from=KINO


山頂を C,山頂から地表へおろした垂線の足を H とおきます。
H を通る水平な直線上に A, B があるとします。
H に近い方(山に近い方)の点を B とします。
AB 間の距離を x, BH 間の距離を y,山の高さ CH を h とおきます。
A から C を仰ぎ見たときの仰角をα,B から C を仰ぎ見たときの
仰角をβとおきます。
三角形 CAH,CBH はいずれも直角三角形なので,
tanα=CH/AH=h/(x+y),tanβ=CH/BH=h/y
が成り立ちます。a=tanα,b=tanβとおくと,
h=a(x+y)=by
が成り立ちます。a(x+y)=by より y=ax/(b-a) となり,これを h=by に代入すると
h=abx/(b-a) を得ます。
つまり,測定でわかっている量(仰角の正接およびAB間の距離)のみで
山の高さを表す式になっています。

何か設定を勘違いしているかもしれないので自信はありませんが,
とりあえずこんな感じです。