質問<2186>2005/2/3
from=kanon
「空間図形なんですが…」


空間内の点Oに対して、4点A.B.C.Dを
OA=1、OB=OC=OD=4
を満たすように取る時、四面体ABCDの最大体積を求めなさい。

と言う問題が分かりません。もしよろしければ、教えてください.

★希望★完全解答★

お便り2005/2/6
from=naoya


簡略に解答します。厳密ではありません。

空間内の原点中心,半径4の球をP,半径1の球をQとする.
題意より点B,C,Dは球P上に存在し,点Aは球Q上に存在する.

まず,点B,C,Dを含む平面αで球Pを切断することを考える.
このときの原点から平面αに下ろした垂線の足をHとし, OH=h(0≦h<4) とおく.
球Pの平面αによる切り口は円になる.
この円をRとおくと,点B,C,Dは円R上の異なる3点として存在している.
円Rの半径rは,三平方の定理より r=√[16-h^2] となる.
OH=hのときに底面積最大,かつ高さが最大であるような四面体を考えてその体積をhの
関数としてあらわしたとき,その関数の0≦h<4における最大値が四面体ABCDの最大値.

さてここで,三角形BCDの面積をSとし,Sの最大値を考える.
それは,三角形BCDが正三角形のときであり(証明略),このとき S=(3√[3]r^2)/4.
四面体の高さは球Q上の点Aから平面αに下ろした垂線の長さになるが,それが最大
になるのは明らかに,線分OHをO側に延長し球Qと交わった点を点Aにとった時である.
このとき四面体の高さは h+1 となる.よって体積をV(h)とすると,
V(h)=S(h+1)/3=√[3](16-h^2)(h+1)/4.

hで微分して増減表をかく.するとV(h)はh=2のとき最大値9√3をとる.


お便り2005/2/8
from=naoya


私の解答で、
「円に内接する三角形の面積が最大になるのは正三角形のとき」ということを
証明なしで用いてしまったので、きちんと証明しようと考えていました。
いくつか証明は思いついたのですが、どれも微分を使う証明になってしまいました。
この問題を微分などを使わず、
幾何・ベクトルなどの方法で証明する方法はないでしょうか。
参考までに、私の思いついた証明の一つを書きます。

円に内接する三角形ABCの面積が最大になるのは、
三角形ABCが正三角形であることを証明せよ。
(証明)
半径1の円に内接する三角形ABCで考えても一般性を失わない。
三角形ABCについて、辺BCを固定して考えると、△ABCが最大になるのは、
BCの垂直二等分線と円の交点のうち、BCとの距離が短くないほうを点Aに取った
ときである。このとき三角形ABCは辺BCを底辺とする二等辺三角形となる。
円をxy平面上の単位円に移して考える。これまでの考察から、
A(-1,0), B(x,√[1-x^2]),
C(x,-√[1-x^2]) (-1<x<1) とおける。このとき、
△ABC=(1+x)√[1-x^2]=√[(1+x)^2(1-x^2)].
f(x)=(1+x)^2(1-x^2)とおき、微分して区間(1,1)で増減表を書くと、
x=1/2のときf(x)は最大。
よって三角形ABCは x=1/2 すなわち三角形ABCが正三角形のとき、
面積が最大になる。
このことは、一般の円に内接する三角形にも当てはまる。
            (証明終)