質問<223>2000/2/4
from=kucyami
「行列」


(A+B)C=AC+BC
行数列で上のことが成り立つことを証明しなさい。
ッテ言う問題なんですが 高校でなくて実は大学で勉強して
るんですが…行列について学んでいます。
もしよろしければ、教えて下さい。


お返事2000/2/4
from=武田


足し算と引き算は「同じ量」どうしについての演算です。
だから行列で言うと、同型の行列をさします。今、行列A、B
を2×3型の行列としましょう。
(a11 a12 a13) (b11 b12 b13)
(        ),(        )
(a21 a22 a23) (b21 b22 b23)

一方、かけ算は「異なる量」の演算です。特に数のかけ算は
    1あたり量×いくつ分=全体量
と言う仕組みからできています。これらはすべて異なる量で
す。例えば、キャラメル10個入りの箱で言いますと、
    10個/箱 × 3箱 =30個
となります。1あたり量が10個/箱で、いくつ分が3箱、
全体量が30個と言う異なる量間の演算です。ベクトルの内
積や、行列のかけ算は演算が成り立つために足枷があります。
かける個数が1対1対応しているということです。
例えば、野菜の単価の行列
(ニンジン50円/本 ほうれん草80円/輪)
と購入する個数の行列
(ニンジン3本 )
(       )
(ほうれん草2輪)
この2つの行列は1×2型行列と2×1型行列だから異質の
行列だが、かけ算をすると、
ニンジン50円/本×3本+ほうれん草80円/輪×2輪
=150+160
=310円と言う合計金額がでてくる。これは
(合計金額310円)と言う1×1型の行列である。
斯様に、かけ算は、数と同様「異なる量」の演算なのである。

したがって、行列Cを3×1型の行列とする。
(c11)
(c21)
(c31)

A、Bが2×3型、Cが3×1型のとき、
A+B

 (a11 a12 a13) (b11 b12 b13)
=(        )+(        )
 (a21 a22 a23) (b21 b22 b23)

 (a11+b11 a12+b12 a13+b13)
=(                 )
 (a21+b21 a22+b22 a23+b23)
より、

左辺=(A+B)×C

 (a11+b11 a12+b12 a13+b13) (c11)
=(                 )×(c21)
 (a21+b21 a22+b22 a23+b23) (c31)

 (a11c11+b11c11+a12c21+b12c21+a13c31+b13c31)
=(                             )
 (a21c11+b21c11+a22c21+b22c21+a23c31+b23c31)

 (a11c11+a12c21+a13c31) (b11c11+b12c21+b13c31)
=(              )+(              )
 (a21c11+a22c21+a23c31) (b21c11+b22c21+b23c31)

 (a11 a12 a13) (c11) (b11 b12 b13) (c11)
=(        )×(c21)+(        )×(c21)
 (a21 a22 a23) (c31) (b21 b22 b23) (c31)

=AC+BC=右辺
したがって、証明された。