質問<2252>2005/3/27
from=サラダ油
「幾何学」


(1)原点から直線(x-p)/a=(y-q)/b=(z-r)/c
   へ下ろした垂線の足の座標を求めよ。

(2)原点を通り、2直線
  x+1=y=z-2  (x+1)/4=y/2=z-1
  の両方に交わる直線の方程式を求めよ。

御教授お願い致します。

★希望★完全解答★

お便り2005/4/15
from=KINO


シンプルではないかもしれませんが,目的をはっきりと見据えた方針で
臨んでみます。

(1) 直線の式をベクトル表示して取り扱います。
与えられた式の値を t とおくと,
x=p+ta, y=q+tb, z=r+tc となりますが,
ベクトルを A=(a,b,c), P=(p,q,r), X=(x,y,z) とおくと
X=P+tA とみなせます。
原点Oから直線上の点 X までの距離は |X| です。
これが最小の時,OX は最小で,X の位置がちょうど垂線の足になります。
|X| をそのまま最小化しようとすると扱いにくいので,それと同値な方法として 
|X|^2 を最小化することを考えます。

ふたつのベクトル Y, Z の内積を (Y,Z) と書くことにすると,|X|^2=(X,X) と
内積を使って計算できます。

|X|^2=(P+tA,P+tA)=|A|^2t^2+2(P,A)t+|P|^2.

これは t の 2 次関数とみなせますので,平方完成すると

|X|^2=|A|^2(t+(P,A)/|A|^2)^2+|P|^2-{(P,A)}^2/|A|^2.

|A|^2>0 ですから,|X|^2 が最小になるのは t=-(P,A)/|A|^2 のときです。
従って,これを代入した

X=P-{(P,A)/|A|^2}A

が求める X の座標を与えます。
この式の幾何学的な意味は,A/|A| が直線の単位方向ベクトルになっていることを
考慮すると,
「P ベクトルから,P の A 方向の射影ベクトル {(P,A/|A|)}A/|A| を引いたもの
が直線の原点からの垂線の足の位置ベクトルになる」となります。

ちゃんと成分で書き表すには,
P=(p,q,r), (P,A)=pa+qb+rc, |A|^2=a^2+b+2+c^2
を上で得た式に代入すればできます。

(2) 原点を通る直線上の点の位置ベクトルを X とおくと,
あるベクトル A=(a,b,c) と実数 t を用いて 
X=tA と表せます。
ここで,a, b, c の値を適当に定数倍してやれば,t=1 のときに 
直線 x+1=y=z-2 と交わると仮定しても問題ありません。

そうすると x=a, y=b, z=c を第一の直線の方程式に代入した
a+1=b=c-2
という式を得ます。これらから,a=b-1, c=b+2 とかけます。

求める直線が t=s のときに第二の直線と交わるとすると,
(sa+1)/4=sb/2=sc-1
を得ます。これらに a=b-1, c=b+2 を代入して
(sb-s+1)/4=sb/2=sb+2s-1.
これらの式を2つの方程式の連立方程式に書き直します。
sb-s+1=2sb, (i)
sb=2sb+4s-2. (ii)
(i) より sb=1-s. (iii)
これを (ii) に代入すると,
1-s=2-2s+4s-2=2s. よって s=1/3 となります。
これを (iii) に代入すると,b=2 となり,結果 a=1, c=4 を得ます。
よって,A=(1,2,4) となり,求める直線の方程式は
X=t(1,2,4) となります。これは
x=t, y=2t, z=4t とも書け,これより
t=x=y/2=z/4 となり,t を省いて x=y/2=z/4 となります。


お便り2005/4/17
from=名無し


(1)原点から直線(x-p)/a=(y-q)/b=(z-r)/c
   へ下ろした垂線の足の座標を求めよ。

(x-p)/a=(y-q)/b=(z-r)/c=t とおくと
x=at+p , y=bt+q , z=ct+r  …Ⅰ
直線の方向ベクトルは (a,b,c) であるから、
(a,b,c)・(at+p,bt+q,ct+r)=0
これを解いて、t=-(ap+bq+cr)/(a^2+b^2+c^2)
これを I に代入しておしまい。

(2)原点を通り、2直線
  x+1=y=z-2  (x+1)/4=y/2=z-1
  の両方に交わる直線の方程式を求めよ。

x+1=y=z-2=t とおくと
 x=t-1 , y=t , z=t+2
(x+1)/4=y/2=z-1=s とおくと
 x=4s-1 , y=2s , z=s+1
この2点を通る直線の方向ベクトルは
 (t-4s,t-2s,t-s+1)
これがそれぞれの直線の方向ベクトル直交すればよいから
  (t-4s,t-2s,t-s+1)・(1,1,1)=0
 (t-4s,t-2s,t-s+1)・(4,2,1)=0
この連立方程式を解くと
 s=-2/7 , t=-1
よって、もとの式に代入して
(-2,-1,1),(-15/7,4/7,-1/7)を通る直線であるから
 x=-p+(-2) , y=-11p+(-1) , z=2p+1
 -(x+2) = -(y+1)/11 = (z-1)/2
計算ミスしてたらごめんなさい。


お便り2005/11/10
from=/で


「名無し」さんの解答について

(2)ですが、「原点を通り、与2直線と交わる直線」ですので、
名無しさんの「直交すればよいから」は違うと思います。

P(t-1,t,t+2), Q(4s-1,2s,s+1)とすると
題意から、kを実数として、k*OP = OQ  (←OP,OQはベクトルのつもり)
すなわち、
 k(t-1,t,t+2)=(4s-1,2s,s+1)
とおけるので、

  k(t-1) = 4s-1
  kt     = 2s
  k(t+2) = s+1

の連立を解いて、k=1/3, s=1/3, t=2
2直線上のそれぞれの点の座標は、
P(1,2,4), Q(1/3,2/3,4/3)

求める直線の式は、OP(またはOQ)の式なので

  x-1 = (y-2)/2 = (z-4)/4