質問<2388>2005/5/25
from=たれぱんだ
「積分+不等式」


∫_0^z {x(2-x)^3}/4 dx≧0.99 となるzを求めよ。
これがどうしても解けません…ι助けてください…;;

★希望★完全解答★

お便り2005/6/20
from=亀田馬志


どうしても解けないですか(笑)。僕もその意見に賛成です(笑)。
いやあ、『何か上手いテがあるんかな?』って僕も他の回答者の方々が何らかの
Tipsカキコしてくれんのかな?って期待してたんですが(と言うのも僕は数学苦手で
大ッ嫌いなんです。)、やっぱ無いんですよ(笑)。多分。
僕自身も変数変換試してみたりしたんですが、あんまり意味が無かったですね(笑)。
こりゃあしょーがないです。
今『子供の理系離れ』とか言われてますが、まず、

①日本では少なくとも文系出身の人間の方が『医者以外は』理系出身の人間より
平均給与が高い
②解ける楽しさを教えない

この2つの問題が解決しないとしゃーないんですね。①に関して言うと、理系は
『元祖アキバ系』とか思われてるみたいで(笑)、『自分が面白いと思えば社会的な
評価/地位は何も気にしない人達』とか誤解されてるみたいです(笑)。コレは正直
アタマ来ますね(笑)。まあ、アメリカなんかでも第2次世界大戦以前はそう言う
風潮あったみたいなんですが、軍事に関連して理系の地位が向上した、ってのは
皮肉なモンです。アメリカなんか文系市民の理系批判なんて結構すざましいモノが
ありますけれども(と言うのも政治レベルはいざ知らず一般市民はワリと平穏な
キリスト教徒だからです。当然ダーウィンなんて信じてません・笑。)実際は
『武器を作るのは』理系の人間かもしれませんが、『使うのは』いっつも文系
なんですがね(笑)。その辺り何言われても『知ったこっちゃねえ』って反論しない
『理系の大らかさ』がまた文系調子に乗らせてるんだっての(笑)。ま、イイか(笑)。
話が脱線しちゃった(笑)。
②はヒドイですね~。『何が何だか分からん』問題作るヒトがいるんですね、多分。
そして『数学嫌い』を殖やしてる。
掲示板の方でも腐してましたが、例えば質問<2281>なんて典型例です。
コレは僕の予測なんですけど、恐らくコンピューター使って問題設定してるんですよ。
そして、出題者が『自分で(人力で)解けるかどうか』チェックしてないんです。
だとすれば、そーゆー怠慢は許せませんよね。
基本的に質問<2361>でも書きましたが、『テスト』とか『試験』ってのは
敢えて『出題者vs回答者』の戦い、って見ればそんなに『フェア』では無いんです。
常に回答者が『不利な状況にいる』ってのが当たり前なんです。よって、ここまで
『思いやりの無い』問題、ってのは言語道断ですね。人非人ですよ(笑)。
高橋英樹さんに頼んで『叩っ切って』もらいたいですね(笑)。
まあ、この問題の場合は『テスト問題じゃない』って思いたいです。

さて、そうすると自衛考えないといけないんですが・・・・・・。『バカヤロー!!!!』
って叫ぶのは簡単なんですが、正しい『バカヤロー!!!』の叫び方、
ってのがあります。それは何かと言うと、このテの問題に『時間を費やした』なら
『費やしただけの』元は取らんといけません。まあ、『行列のできる法律相談所』
に持ち込んで島田伸介にネタ提供しても構いませんが(笑)、どうせなら視点を変えて、
何が『バカヤロー』なのか、どう『バカヤロー』なのか、それをハッキリさせないと
いけないと思います。何事もそうなんですが、『論破』するならするだけの『材料』
と『根拠』が無きゃいけない。『良く分からないんですけど・・・』じゃ説得力が
無いんです。よって『概要を把握する』ってのがもの凄く大事な作業になります。
じゃあ、どうするか?こーゆー場合も今は表計算ソフト、エクセルがほとんどのPCに
付属で付いてるので、それを使って『こんなん解けるか!!!』って根拠を探すのが
一番イイでしょう。パソコンは『エッチなサイト』とか『出会い系サイト』見る為
だけの道具では無いんです!!!!(あ、それって僕だけか・笑)
こーゆートキこそコンピューターの出番ですし、これこそ『目には目を』です。

余談ですが、今の高校生って『情報何たら』って授業があるみたいですね。
知りませんでした。たまたまNHK教育の『高等学校講座』見てたんですが、
へえ、ってカンジでした。しかしそこで行ってるのは『スプライト機能を使った
アニメーションの作り方』・・・・・・???いや、ホントに個人的な意見ですが、
そんなん学校で教えるような事じゃねえよなあ(苦笑)。みんながみんな
『豪華なHPを作りたい』ってワケじゃねえのに(苦笑)。いや、しかし僕が言うのも
何なんですが、教育の本質間違ってますよ(笑)。『アニメーション』作れても、
それは所詮『ソフトの使い方』なワケでそんなのは極端な話マニュアル読めば
済む話ですし、別にコンピューターの本質じゃあありません。何か『テクノストレス』
感じてるオッサン世代が『時代に迎合して』無理矢理作った教科、ってカンジが
しました。むしろコンピューターの本質ってのはエッチ系サイトを見る、もとい(笑)、
そのまま『計算機』なんです。よって数学で詰まったらコンピューターで実験して
みるのが正しい使い方、王道だと思います。

と言うワケで質問<2372>で書いた方法論に準じます。ただし、アッチは
『エクセルの使い方入門』を兼ねてますんで、ここでは重複した書き方はしません。
ただでさえ僕は無駄話が多いんで長くなっちゃうからです(笑)。
『エクセルの使い方はある程度知ってる』と言う前提で行きます。もし、エクセルの
使い方が分からなかったら、質問<2372>の問題を解きながら使い方覚えてください。

まず、数学的な背景から。一応ご存知だとは思いますが、なぞって行きます。

>>∫_0^z {x(2-x)^3}/4 dx≧0.99 となるzを求めよ。

要するにF(z)≧0.99ってzを探せばイイって事ですよね。左辺の積分をしてF(z)を
求める事自体は簡単だと思います。

・∫_0^z {x(2-x)^3}/4 dx=x^2-x^3+(3/8)*x^4-(1/20)*x^5|_0^z
                       =z^2-z^3+(3/8)*z^4-(1/20)*z^5
∴F(z)=z^2-z^3+(3/8)*z^4-(1/20)*z^5

本来でしたら、ココで

・φ(z)=F(z)-0.99≧0・・・①

とでも設定してF(z)-0.99を因数分解して、まずはφ(z)とz軸の交点を探してみて
・・・ってのがセオリーなんでしょうが、この式の場合は『5次方程式』です。
コレはちょっと解けないですよね。しかもφ(z)の切片が-0.99なんて中途半端な数
ですし(笑)。ホントこの野郎いい加減にしろ、ってカンジです(笑)。
と言うワケで、取りあえず-50≦z≦50の範囲でφ(z)グラフの概形がどんなモンだか
見てみようかと思います。エクセルを起動して下さい。手順を説明します。

i)セルA1に『z』と入力する。
ii)セルA2に『-50』と入力。マウスポインターをエクセルの黒枠の右下に合わせ、
Clrlキーを押しながら、セルA102までドラッギングする。
iii)セルB1に『φ(z)』と入力する。(φの読み方は“ファイ”です。まあ、関数の
名前は何でも構いません)
iv)セルB2に次の数式を入力する。

・z^2-z^3+(3/8)*z^4-(1/20)*z^5-0.99

エクセル上では次の書式になる。

     =a2^2-a2^3+(3/8)*a2^4-(1/20)*a2^5-0.99

v)セルB2をセルB102までコピペする。
vi)列Aと列Bを同時に選択。そのままグラフウィザードを起動する。『散布図』で
『データポイントを平滑線でつないだ散布図』を選択。そのまま『完了』を選ぶ。

さて、グラフが出てきたでしょうか?左から右にかけて下がってきてる
『単調減少関数』らしきグラフになっていると思います。コレがφ(z)の概形です。
問題はz=0を中心として『φ(z)=0』らしき範囲が長いようなカンジがしますね。
そこでz=0付近の実値を調べてみましょう。

51行目:z=-1 φ(z)= 1.435
52行目:z= 0 φ(z)=-0.99
53行目:z= 1 φ(z)=-0.665

そうすると、万全を期して-1≦z≦1の範囲調べてみた方がイイようなカンジが
しますね。それ以外では取りあえず『単調減少』だ、と仮定してみましょう。
Sheet2に切り替えてください。

i)セルA2に『-100』と入力。マウスポインターをエクセルの黒枠の右下に合わせ、
Clrlキーを押しながら、セルA202までドラッギングする。
ii)セルB1に『z』と入力する。
iii)セルB2に『=A2/100』と入力。そしてセルB2をセルB202までコピペする。
iv)セルC1に『φ(z)』と入力する。
v)セルC2に次の書式を入力する。

=b2^2-b2^3+(3/8)*b2^4-(1/20)*b2^5-0.99

v)セルC2をセルC202までコピペする。
vi)列Bと列Cを同時に選択。そのままグラフウィザードを起動する。『散布図』で
『データポイントを平滑線でつないだ散布図』を選択。そのまま『完了』を選ぶ。

コレで-1≦z≦1の範囲でのφ(z)の拡大図が出て来たと思います。φ(z)は視覚的には
-1<z<-0.5の範囲でz軸と交点を持ってるようです。よってまたもや実値を調べて
みましょう。

30行:z=-0.72 φ(z)=0.012099548
31行:z=-0.71 φ(z)=-0.023674049

どうやらこの辺りに『z軸との交点⇒φ(z)=0の場所』ってのが存在してるようです。

さて、そこでもっと確定した点を探してみましょうか。それにはエクセルの
『ソルバー』ってのを使います。
ソルバーってのは英語でまさしく『Solver』。ある方程式に実値をバンバン代入して、
強制的に『求める条件』での最適数値解を見つけ出す機能です。と言えば難しく
感じるかもしれませんが、要するに『φ(z)=0を満たすzを探せ』とエクセルに命令
出来るワケです。
ソルバーはエクセル上方の『ツール』にある機能なんですが、ひょっとして使えない
状態になってるかもしれません。もしその場合は

『ツールを選択』⇒『アドインを選択』⇒『ソルバーアドインのチェックボックスを
チェックする』⇒『OK』ボタンを押す

と言った手順でツールにソルバーが追加されます。

そこで・・・そうだなあ、もう一回セルE31にでも『z』と入力して下さい。そして
セルF31に『=$b$31』と入力します。これを『初期値』を言います。
エクセルソルバーは『初期値』からはじめて最適数値解を探すのでその『初期値の』
指定が必要なワケです。と言うワケでここではφ(z)=0を示すだろう付近の数字を
使ってるワケです。
次にセルE32に『φ(z)』と入力して下さい。そしてセル
F32に『=f31^2-f31^3+(3/8)*f31^4-(1/20)*f31^5-0.99』と入力して下さい。
そうすると、セルB31とB32の数字が出てくるハズです。これで準備はOKです。
エクセルの『ツール』から『ソルバー』を起動して下さい。そして『目的セル』を
φ(z)を表している『$F$32』に、目的値がφ(z)=0の為、『値』を選択して『0』に、
そして『変化させるセル』が代入値『z』なんで、セル『$F$31』と指定します。
そして実行ボタンを押してください。
そうすると『最適解が見つかりました。制約条件はすべて満たされました。』と出て
きます。『解を記入する』を選んで、『OK』を押してください。
そしてセルF31とセルF32を見ると

・z=-0.716645575
・φ(z)=-3.46105E-07

と言う値が算出されてるハズです。コレは

・z=-0.716645575のトキ、φ(z)=-3.46105×10^(-7)

って意味です。φ(z)=0では無いんですけど、コレがエクセルで『ギリギリ算出
出来るφ(z)=0に一番近いzの値』って意味です。さすがのコンピューターにも
計算の限度、ってのがあるんですね。そして、

z=-0.716645575

って値は①式を手算で因数分解したトコで出て来る様な値じゃあありませんし、
ましてや何かの数の倍数であるとか、そんな規則性も皆無ですね。
よってココで分かる事は

『-0.72<z<-0.716645575の範囲でφ(z)=0になる点が存在する。』

って事だけです。そして『その点より左だと』φ(z)≧0⇔F(z)≧0.99になる、
ってだけですね。当然『人間が解けるような問題』ではない、って事が
分かります(笑)。コンピュータでも解けなかったんですからね(笑)。
ここで始めて『ふざけるな!!!』って怒る事が可能でしょう(笑)。

ただ、見たように『数学での実験』ってのにはエクセルは便利なんで、解法に
詰まったトキはこのように色々試してみてください。