質問<24>98/7/1
二次方程式において 判別式D=b2-4ac<0のときの2つの複素解についての 求めかたについておしえてください。 あと複素解って何なんですか?よくわかりまっせん。
お返事98/7/1
from=武田
二次方程式ax2+bx+c=0の解の歴史を簡単に紹介します。 大昔は、正の解しか答えとしなかったが、インドの数学が発達する中で、零や 負の解も答えの中に入ってきました。さらにエジプトの数学が発達し、 解の公式 x={-b±√(b2-4ac)}/(2a) もでき、無理数の答えも入ってきました。 (一応、高校で勉強する「数学Ⅰ」はこのレベルです。) イタリアの数学者のタルタリアやカルダノたちが3次・4次方程式を解く中で、 √の中がマイナスになる答えがでてきます。これを虚根と呼びました。虚根を 考えると、3次方程式は3つの解が、4次方程式は4つの解が言えたからです。 しかし、しばらくは忘れ去られていましたが、これが再び日の目を見たのは オイラー達の時代になってからです。√(-1)=i(アイ)とおいて、計算 できるようにしてからです。 (高校では選択科目の「数学B」の中で勉強します。) 例えば、2次方程式を解の公式で解いたとき、x=2±√(-3)がでてきたら、 「数学Ⅰ」では、解なしと言います。 「数学B」では、x=2±√(-1×3) =2±√3・√(-1) =2±√3・i というiを使った形で答えます。これを虚根(虚数解)または、複素数解と 言います。 このあと、ガウスの登場で、複素数平面(横軸が実数、縦軸が虚数の平面) ができ、複素数という実数より広い数の世界が誕生したのです。 ド・モアブルの定理により、z6=1の解も解くことが可能とな りました。 2次方程式の解と2次関数のグラフとの関係を考えると、 2つの異なる解ならば、x軸と交点が2つ 重解ならば、x軸と接する 虚数解ならば、x軸から離れた グラフとなる。