質問<2492>2005/7/27
from=kazuu
「代数学」


 次の問題をお願い致します。

(1)
     |1 0 1 |
① A=|0 2 -1|は正則であることを確かめよ.
     |3 1 3 |

② Aを基本行列の積として表せ.

(2)Aをn次正方行列とするとき,次の4つの命題は同値であることを
   (a)→(b)→(c)→(d)→(a)の順に証明せよ。
(a) Aは正則
(b) 任意のn行列ベクトルbに対して,Ax=bを満たすn次行列ベクトルxが存在する
(c) AB=Eを満たすn次行列Bが存在する
(d) |A|≠0

★希望★完全解答★

お便り2005/8/3
from=主夫


(1)
①Aは3次の正方行列だから、rankAがAの次数である3と一致すれば正則である
ことが証明される。rankAの求め方は行基本操作をすることによって求められる。
詳しくは教科書で。

②①で実際に行った行基本操作に対応する基本行列をつくって、それらをAの左
から順次かける。さらにそれぞれの逆行列を順次かける。

(2)
この証明の問題については、私自身も解いてはみましたが、おそらく出題者の意図
と若干でもずれると、正しい証明でも再提出になるのではないかと思います。
曰く「間違いではないが、別の方法で…」。何度も再提出を覚悟で自力でやってみて
はいかかですか?


お便り2006/9/26
from=みのる


もっと詳しく教えて下さい。


お便り2006/10/1
from=主夫


<2998> <2969> <1700>など,すでに何回か他の解答者の方が
解説がされていますので,まずはそちらを参考にしてください。

その上で,もっと詳しくとは,具体的にどの問題のどこの部分かを明確にしてください。
私のような素人ではなく,もっと専門的な知識を持った解答者の方が現れるかも
知れませんし。


お便り2006/10/4
from=かおり


参考文献を頂きましたがよくわかりません。ご指導を。


お便り2006/10/7
from=主夫


あの…
コメントをきちんと読んでいただいているのでしょうか?
再度申し上げます。

もっと詳しくとは,具体的にどの問題のどこの部分かを明確にしてください。

(1)の行基本操作ですか?
(2)の基本行列の定義ですか?
(3)の証明のどの部分ですか?

私もあなた方のOBですからよく分かりますけど,結局ここで解答をもらって
それをただレポートに写しても…
本来解答というのは,ご自身の学習到達度を把握してからでないと,的確な
アドバイスはできないと私は思うわけです。
特に今回のような定義などに関わる基本的な問題では,これではどこに躓いているの
かが全くこちらに伝わらず,結果的に問題の投げやり(他の某レポート問題の再質問
も同等)に見えてしまいます。つまりご自分でテキストを使ってある程度のところ
までは予備知識として知っておかないと。

最近こういう再質問のパターンが多くて,なんかこちらまで恥ずかしくなってしまう
ので,上記で申し上げたことをよくよくお含みおきください。


お便り2006/10/11
from=かおり


主夫様
お叱りの言葉をありがたく受け止め勉学に励みたいと思います。
しかし仕事の傍ら充分な時間がとれず、つい聞いてしまいます。
今後ともよろしく御願い致します。


お便り2006/10/12
from=主夫


前回よりはまともな解説にしてみますので,参考になさってください。

(1)
    |1 0 1 |
① A=|0 2 -1|は正則であることを確かめよ.
     |3 1 3 |

|1 0 1 |を①行,|0 2 -1|を②行,|3 1 3 |を③行とします。
①行×(-3)+③行
③行と②行入れ替え
②行×(-2)+③行
この3つの操作により,rankA=3
が求められます。


Aを基本行列の積として表せ.
基本行列とは,3種類あります(テキストp47)
rankA=3を導いた3つの操作に加え,さらに
③行+①行
③行×(-1)
をすることにより,AはEに変わります。
合計5つの行基本操作に対応して5つの基本行列がつくられます。
それぞれの逆行列を左からかけると,基本行列の積が完成します。


(2)Aをn次正方行列とするとき,次の4つの命題は同値であることを
   (a)→(b)→(c)→(d)→(a)の順に証明せよ。
(a) Aは正則
(b) 任意のn行列ベクトルbに対して,Ax=bを満たすn次行列ベクトルxが存在する
(c) AB=Eを満たすn次行列Bが存在する
(d) |A|≠0

(a)⇒(b)
Aが正則であれば逆行列A^(-1)をもつ。
x=A^(-1)b  (x,b:n次列ベクトル)とすれば,
Ax=A(A^(-1)b)=(AA^(-1))b=Eb=b
となり,Ax=bを満たすn次行列ベクトルxが存在する。

(b)⇒(c)
E=(e1,e2,…,en)とすると,(b)より
Ab1=e1,Ab2=e2,…Abn=enを満たすn行の列ベクトルb1,b2,…,bnが存在する。
よって
A(b1,b2,…,bn)=(e1,e2,…,en)となり,ここで
B=(b1,b2,…,bn)とおけば,AB=Eを満たすn次行列Bが存在する。

(c)⇒(d)
AB=Eを満たすn次行列Bが存在するから,
lABl=lEl
lABl=lAllBl=1よりlAl≠0

(d)⇒(a)
lAl≠0より,
B
=(1/lAl)(Aijの転置行列)  (AijはAの(i,j)成分aijの余因数)
このBがAの逆行列であることが言えれば,Aは正則である。
AB=…=(1/lAl)( ここをうまく表現できません )=E
BA=Eも同様に確かめられるから,A^(-1)=Bとなり,正則であることが言えた。

「ここがうまく表現できません」は,
lAl   
   lAl 
      …
    lAl
右上の三角成分および左下の三角成分が全て0になっている状態です。