質問<254>2000/5/15
from=だいすけ
「複素数」


これは98年センター試験です。

(問題がはっきりしないところがありましたので、河合塾のホームページに
98年度の問題と解答を見に行ってきました。質問文に若干誤記がありまし
たので、訂正して掲載します。 武田)

この問題では、複素数の偏角はすべて0°以上360°未満とする。
α=2√2(1+i)とし、等式│z-α│=2を満たす複素数zを考える。
(1)zの中で絶対値が最大となるものは
   [ア]√[イ]([ウ]+i)
 である。
                      β
(2)zの中で偏角が最大となるものをβとおくと、─ の
     √[エ]             α
 絶対値は────で、偏角は[カキ]°で
      [オ]
 ある。また、
    [ク]√[ケ]-√[コ] [シ]√[ス]+√[セ]
  β=────────────+────────────i
        [サ]           [ソ]
 である。さらにβの偏角は[タチ]°である。
 1≦n≦100の範囲で、βn が実数になる整数nは[ツ]個
 ある。


お返事2000/5/17
from=武田


問1
z=x+yiとすると、
z-α=(x+yi)-(2√2+2√2i)
   =(x-2√2)+(y-2√2)i
|z-α|=2を2乗して、
(x-2√2)2 +(y-2√2)2 =4……①
zは、中心(2√2,2√2)半径2の円上にある。

|z|が最大になるのは、zが点Pにくるときだから、
①の円と直線y=xの交点Pは、
2(x-2√2)2 =4
x-2√2=±√2、∴x=√2,3√2
したがって、点P(3√2,3√2)
∴z=3√2+3√2i=3√2(1+i)

問2
zの中で偏角が最大になるのは、①の円の接点Qだから、βは点Qにくる。

|α|=4、argα=45°より、∠POQ=30°より、|β|=2√3
argβ=45°+30°=75°

|β| |β| 2√3 √3
|─|=───=───=──
|α| |α|  4   2

  β
arg──=argβ-argα=75°-45°=30°
  α

βを極形式で表現すると、
β=2√3(cos75°+isin75°)
cos75°=cos(45°+30°)=cos45°cos30°-sin45°sin30°

      1   √3  1   1   √3-1  √6-√2
     =───×───-───×──=──────=──────
      √2   2  √2  2   2√2     4
sin75°=sin(45°+30°)=sin45°cos30°+cos45°sin30°

      1   √3  1   1   √3+1  √6+√2
     =───×───+───×──=──────=──────
      √2   2  √2  2   2√2     4
したがって、
      √6-√2 √6+√2
β=2√3(─────+─────i)
        4     4
  √18-√6 √18+√6
 =──────+──────i
    2       2
  3√2-√6 3√2+√6
 =──────+──────i
     2      2

argβ=75°=5π/12
argβn =n×5π/12より、nは12の倍数であれば、
βn =(2√3)n (cos75°n+isin75°n)は
実数になるから、
100÷12=8……4より、8個ある。
(答)ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス セ ソ タ チ ツ
   3 2 1 3 2 3 0 3 2 6 2 3 2 6 2 7 5 8