質問<2881>2006/1/24
from=五十路
「微分方程式について」


次の微分方程式を解け。
1)y’’-2y’+2y=eのx乗・cosx
2)xの2乗・y’’+3xy’+y=1/(1-x)の2乗
以上教えて下さい。

★希望★完全解答★

お返事2006/2/1
from=武田


(1)だけできましたが、(2)は右辺からの特殊解がうまく出せませんので、
途中までです。

(1)
y″-2y′+2y=e^x・cosxは二階線形微分方程式と言います。
まず、補助方程式(左辺=0としたもの)y″-2y′+2y=0の係数が
定数のときは、次のようにして一般解を求めます。

この補助方程式の固有方程式m^2-2m+2=0の判別式から
D=(-2)^2-4(1)(2)=4-8=-4<0
このとき、一般解は、y=e^(αx)・{Asin(βx)+Bcos(βx)}
となる。ただし、α±βiは固有方程式の解となる。

(D>0のときは、y=Ae^(mx)+Be^(nx)
         ただし、m,nは固有方程式の解である。
 D=0のときは、y=e^(mx)・(Ax+B)
         ただし、mは固有方程式の重解である。)
上のAとBは任意の定数

固有方程式m^2-2m+2=0を解くと、m=1±i
よって、α=1、β=1
したがって、一般解は、y=e^(x)・{Asin(x)+Bcos(x)}となる。

次に、特殊解を求めるのだが、
右辺e^x・cosxからy=e^x・(Esinx+Fcosx)とおいて、
           ^^^^^^  ^^^^^^^^^^^^^^^
            ↑      ↑
           e^xと同じ  三角関数のときはこの形

これで計算して求めるのだが、うまくいかないときは、次のようにする。
(今回の場合はうまくいかないので次のようにする)
y=x・e^x・(Esinx+Fcosx)とxを前につけて計算する。

y′=e^x・{(E+Ex-Fx)sinx+(F+Fx+Ex)cosx}
y″=e^x・{(2E-2F-2Fx)sinx+(2E+2F+2Ex)cosx}

y″-2y′+2y=e^x・cosxに代入して、
e^x・{(2E-2F-2Fx)sinx+(2E+2F+2Ex)cosx}
  -2e^x・{(E+Ex-Fx)sinx+(F+Fx+Ex)cosx}
    +2x・e^x・(Esinx+Fcosx)=e^x・cosx
左辺を計算した後、左右を見比べて、E=(1/2)、F=0
したがって、特殊解はy=x・e^x・(1/2)sinx

一般解+特殊解より、
y=e^(x)・{Asin(x)+Bcos(x)}+(1/2)x・e^x・sinx……(答)

(2)
x^2・y″+3xy′+y=1/(1-x)^2
補助方程式x^2・y″+3xy′+y=0の係数がxの関数なので、
(1)のようにはいかない。
そこで、x=e^t とおいて変形する。t=logx
(dt/dx)=(1/x)
y′=(dy/dx)=(dy/dt)(dt/dx)=(dy/dt)(1/x)
したがって、xy′=(dy/dt)
同様にして、x^2・y″=(d^2y/dt^2)-(dy/dt)

これを代入して、
(d^2y/dt^2)-(dy/dt)+3(dy/dt)+y=0
(d^2y/dt^2)+2(dy/dt)+y=0
固有方程式 m^2+2m+1=0 の判別式D=0より、重解m=-1
したがって、一般解は
y=e^(-x)・(Ax+B)

右辺1/(1-x)^2 から特殊解を出すわけだが、分数関数のときは、
どのようにおくのか、分からないので、ここでストップ………???


お便り2006/3/30
from=こうすけ


再質問:2881の(2)の特殊解についてどなたかわかる方、教えて下さい。


お便り2006/3/30
from=angel


2) x=e^t と置いてしまうと、x<0 の部分を無視する形になってしまうので、
別の考えで行きました。

y=u/x と置くと、
 y'=u'/x - u/x^2
 y''=u''/x - 2u'/x^2 + 2u/x^3

これを与方程式に代入、
 x^2(u''/x-2u'/x^2+2u/x^3) + 3x(u'/x-u/x^2) + u/x = 1/(1-x)^2
 xu''+u' = 1/(1-x)^2

u'=v/x と置くと、
 u''=v'/x-v/x^2

これを代入
 x(v'/x-v/x^2)+v/x = 1/(1-x)^2
 v'=1/(1-x)^2

よって、v=1/(1-x) + C1
u'=v/x=1/(x(1-x)) + C1/x = (1+C1)/x + 1/(1-x) より
u = (1+C1)log|x|-log|x-1| + C2
A=1+C1, B=C2 と置きなおすと、
u = Alog|x|-log|x-1|+B
y = (Alog|x|-log|x-1|+B)/x


お便り2006/9/26
from=五十路


どなたか特殊解の解法を教えて下さい。


お便り2006/10/1
from=主夫


angelさんが既に解答されていますが,某テキストに忠実に解いてみます。
カッコの表現がわかりにくいので,一度紙面に書き直してみてください。

(x^2)y''+3xy'+y=1/(1-x)^2
この微分方程式はオイラー型微分方程式である。
x=e^t とおいてd/dx=D を d/dt=Δ に移せば
(x^2)y''+3xy'+y
=(x^2)(D^2)y+3xDy+y
=Δ(Δ-1)y+3Δy+y
={(Δ+1)^2}y            
つまり
{(Δ+1)^2}y=1/(1-e^t)^2

{(Δ+1)^2}y=0 の一般解y_cは
y_c
=(C1+C2*t)e^(-t)
=(C1+C2*log|x|)/x

次に特殊解y_0は
{(Δ+1)^2}y_0=1/(1-e^t)^2 より
y_0
=[1/{(Δ+1)^2}]*{1/(1-e^t)^2}
={1/(Δ+1)}*[{1/(Δ+1)}*{1/(1-e^t)^2}]
={1/(Δ+1)}*{e^(-t)}*∫{(e^t)/(1-e^t)^2}dt
={1/(Δ+1)}*{e^(-t)}*{1/(1-e^t)}
={e^(-t)}*∫[(e^t)*{e^(-t)}/(1-e^t)]dt
={e^(-t)}*∫{1/(1-e^t)}dt               e^t=uとおいてdt=(1/e^t)du=(1/u)du
={e^(-t)}*∫[1/{u(1-u)}]du
={e^(-t)}*∫{(1/u)+1/(1-u)}du
={e^(-t)}*(log|u|-log|u-1|+C)
={e^(-t)}*(log|e^t|-log|(e^t)-1|+C)
=(1/x)*(log|x|-log|x-1|+C)

以上から
y
=y_c+y_0
=(C1+C2*log|x|)/x+(1/x)*(log|x|-log|x-1|+C)

これをまとめて
y=(C1+C2*log|x|-log|x-1|)/x