質問<302>2000/8/22
from=夏の風鈴
「三角比の応用6題」


問1
三角形ABCの3頂点A,B,Cから対辺にひいた垂線の長さが、
それぞれ、4.3.6のとき,次の問いに答えよ。
① 3辺の比a:b:cを求めよ。
② 最小頂角の余弦を求めよ。
③ 3辺a,b,cの長さを求めよ

問2
半径が1の円に内接する正八角形の面積を求めよ

問3
一辺の長さがaである正四面体の体積を求めよ。また、この正四面体に
外接する球の半径を求めよ。

問4
水平におかれた平面の板に3辺の長さ13.14.15の三角形の穴があいている。
この穴に半径5の球に乗せたとき、板の上面から球の対抗店までの高さを
求めよ。

問5
AB=3,BC=7,CD=7,DA=5,A=120゜である四角形ABCDについて、
次のものを求めよ。
① 対角線BDの長さ
② 四角形ABCDの面積S

問6
四角形の二つの対下線のa,b,cその交角をθとするとき、
この四角形の面積は、1/2absinθで与えられることを証明せよ。


お返事2000/8/23
from=武田


問1
正弦定理より
sinA=6/b、sinA=3/cより、6/b=3/c
b:c=6:3=2:1=4:2
sinB=4/c、sinB=6/aより、4/c=6/a
a:c=6:4=3:2
したがって、a:b:c=3:4:2……(答)

②

比の中の最小の辺cの対頂角Cの余弦は、余弦定理より、
角度なので、辺の比の状態でも求まる。
    a2 +b2 -c2   32 +42 -22  9+16-4
cosC=────────=────────=───────
      2ab     2・3・4     24

   21 7
  =──=─ ……(答)
   24 8

③
             49 15
sin2 C=1-cos2 C=1-──=──
             64 64
∠Cは最小なので鋭角となるから、sinC>0より、
    √15
sinC=────
     8
sinC=3/aより、

     3    24 24√15 8√15
a=──────=───=─────=──── ……(答)
   √15   √15  15     5
   ────
     8
a:b:c=3:4:2より、

  4   4 8√15 32√15
b=─・a=─・────=───── ……(答)
  3   3   5   15

  2   2 8√15 16√15
c=─・a=─・────=───── ……(答)
  3   3   5   15

問2

正8角形の1つの三角形の内角は、360°÷8=45°
三角形の面積の公式より、
S=(1/2)・1・1・sin45°
 =(√2)/4
正8角形の面積は8倍して、
8S=2√2 ……(答)

問3

△CDEにおいて、DE=asin60°=(√3a)/2
垂心Hは△BCDの重心だから、DEを2:1に内分する。
      2 √3a 2 √3
DH=DE・─=───・─=──a
      3  2  3  3
△ADHより、
        √3
        ──a
    DH   3   √3
cosθ=───=────=───
    AD   a    3
図より、sinθ>0
             3 6 2
sin2 θ=1-cos2 θ=1-─=─=─
             9 9 3
    √2  √6
sinθ=───=───
    √3   3
したがって、
          √6
AH=asinθ=a・───
           3
底面△BCDの面積は
  1       1   √3  √3
S=─・BC・DE=─・a・──a=──a2 
  2       2    2   4
1辺aの四面体の体積は
  1      1 √6  √3
V=─・AH・S=─・──a・──a2 
  3      3  3   4

  √18   3√2   √2
 =───a3 =───a3 =──a3  ……(答)
   36    36   12

この正四面体に外接する球の半径をrとすると、

△ADHにおいて、
∠DAH=90°-θ
二等辺三角形△AODより、
a=2・r・cos∠DAH=2rcos(90°-θ)=2rsinθ

     √6
 =2r・──
      3
したがって、
     3  3√6  √6
r=a・───=───a=──a ……(答)
    2√6  12   4

問4
文章の中に誤字がありましたが、「対抗店」とは「最高点」でしょうか?

板の中に開けた三角形の3辺13,14,15の中にはまる内接円の半径
rを求めてみると、

ヘロンの公式より、2s=13+14+15=42
s=21
S=√{21・(21-13)(21-14)(21-15)}
 =√(21・8・7・6)=√7056=84
また、3つの三角形の面積の和より、
S=(1/2)・14r+(1/2)・15r+(1/2)・13r
 =(r/2)・(14+15+13)
 =(r/2)・42=21r
したがって、
84=21r
∴r=4
半径5の球ははまるだけで、下に落ちないから

この図より、
OP2 =OH2 +PH2 2 =OH2 +42 
したがって、
OH2 =9
∴OH=3
最高点Tから板の水平線PHまでの高さは
TH=TO+OH
  =5+3=8 ……(答)

問5

①
△ABDにおいて、余弦定理より
BD2 =9+25-30cos120°
   =34-30・(-1/2)
   =49
BD>0より、
BD=7 ……(答)

②
三角形の面積の公式より
△BCDは正三角形だから、
   1          49√3
S1 =─・7・7sin60°=─────
   2            4
△ABDより、
   1           15√3
S2 =─・3・5sin120°=─────
   2            4
したがって、
        64√3
S=S1 +S2 =────=16√3 ……(答)
          4

問6

文章の誤りがあります。「対下線」でなくて「対角線」
「abc」でなくて「ab」の2つです。
今、図の都合で、2つの対角線a、bをp、qとして求めてみます。
補助線として、頂点A、B、C、Dからそれぞれ対角線へ垂線を下ろします。
その長さをそれぞれa、b、c、dとします。
コセカントを利用して、
OA=acosecθ、OC=ccosecθより、
AC=OA+OC=(a+c)cosecθ
p=(a+c)cosecθ
同様にして
OB=bcosecθ、OD=dcosecθより、
BD=OB+OD=(b+d)cosecθ
q=(b+d)cosecθ

この2式を掛けて、
pq=(a+c)(b+d)cosec2 θ
したがって、(a+c)(b+d)=pq・sin2 θ

四辺形の面積Sは、
S=(1/2)pb+(1/2)pd=(1/2)p(b+d)
一方、
S=(1/2)qa+(1/2)qc=(1/2)q(a+c)

この2式を掛けて、
   1       1       1
S2 =─p(b+d)・─q(a+c)=─pq(a+c)(b+d)
   2       2       4

   1
  =─pq・pq・sin2 θ
   4
平方根をとって、
  1
S=─pqsinθ ……(答)
  2