質問<3213>2006/5/30
from=小豆
「積分」


I(a)=∫[0→a]e^-x|sinx|dxとして(n,kは自然数)
①∫[(k-1)π→kπ]e^-x|sinx|dx
②I(nπ)
③∫[0→∞]e^-x|sinx|dx
|sinx|だけの式なら,[0→π]の繰り返しですよね?
e^-x が加わるとどのように変化するのでしょうか。
教えて下さい。宜しくお願いします。

★希望★完全解答★

お便り2006/6/2
from=wakky


計算に自信がないのですが
まず、
①については
kが偶数のときと、奇数のとき、sinxの符号が逆になります。
その場合分けをして
2回部分積分を施せば
kが偶数のとき 与式=-(1/2)e^(-kπ)(1+e^π)
kが偶数のとき 与式=(1/2)e^(-kπ)(1+e^π)

②は①の結果から
nが偶数なら0
nが奇数なら(1/2)e^(-nπ)(1+e^π)

③は、e^-nπ→0なので、極限は0ではないでしょうか?
まぁ、あまり自信ありません。


お便り2006/6/5
from=小豆


wakkyさん,アドバイスありがとうございました。
I(a)=∫[0→a]e^-x|sinx|dxとして(n,kは自然数)
①∫[(k-1)π→kπ]e^-x|sinx|dx
②I(nπ)
③∫[0→∞]e^-x|sinx|dx

①②は自力で何とか解いてみましたが,kが偶数のときは,絶対値でマイナスを
付けると+1/2e^-kπ(1+e^π)となり等比数列が現れました。

③の積分が疑問です。
もし,お時間があれば,またアドバイス下さい。


お便り2006/6/17
from=ZELDA


余計なことも書いてありますが、消すのが面倒なので、余計な部分も残して起きます。

d/dx{e^(-x)(sinx+cosx)}=-2e^(-x)sinxなので、
∫e^(-x)sinxdx=-{e^(-x)/2}(sinx+cosx)である。

∫[0,nπ]e^(-x)|sinx|dx
=∑k=[1,n]∫[(k-1)π,kπ]e^(-x)|sinx|dx
(ここで、x=t+(k-1)πと置換する。)

=∑k=[1,n]∫[0,π]e^{-t-(k-1)π}|sin{t+(k-1)π}|dt
=∑k=[1,n]e^{-(k-1)}∫[0,π]e^(-t)sintdt

最初の不定積分の公式を用いてこの定積分を計算すると、定積分の値は、
{1+e^(-π)}/2である。
ゆえに、lim[n→∞]∫[0,nπ]e^(-x)|sinx|dx
これは、
lim[n→∞]=∑k=[1,n]e^{-(k-1)}∫[0,π]e^(-t)sintdt
つまり、
初項{1+e^(-π)}/2,公比1/(e^π)の無限等比級数の和に等しいので、
{(e^π)+1}/[2{(e^π)-1}]・・・(A)
に収束する。

ところで、aを定めると必ず
nπ≦a≦(n+1)πを満たす自然数nが存在する。
ゆえに、I(nπ)≦I(a)≦I{(n+1)π}
ここで、(左辺)と(右辺)は,上の議論により
(A)に収束するから、ハサミウチの原理より
∫[0→∞]e^-x|sinx|dx
=lim[a→∞]I(a)=∫[0→a]e^-x|sinx|dx
={(e^π)+1}/[2{(e^π)-1}]