質問<3454>2006/10/30
from=みな
「n次導関数他」


1、a>0のとき、 平均値の定理を用いて
  logea+1/a+1 <loge(a+1) < logea+1/a を示せ。

2、 y=(x^2‐1)^n とおく。このとき
  (x^2‐1)y^(n+2)+2xy^(n+1)‐n(n+1)y^n = 0 
   を示せ。
   ただし、y^(n)はyのn次導関数とする。

よろしくおねがいします。 

★希望★完全解答★

お便り2006/10/31
from=S~(社会人)


こんにちは、参加します。ただし、 1、 の問題についてだけです。そして、解答
ではなく一答案としてお読み下さいますよう。

( 答案 )
(1) f(a)=log(a+1)-[log(a)+{1/(a+1)}] … (あ)
=log{(a+1)/a}-{1/(a+1)} とおくと、

(イ) lim_[a→t]f(a)=lim_[h→0}f(t+h)
=lim_[h→0}[log{(t+h+1)/(t+h)}-{1/(t+h+1)}]
=log{(t+1)/t}-{1/(t+1)}
=f(t)
であるから、 f(a) は a=t で連続である。
いま、 t は t>0 で任意であるから f(a) はすべての a>0 で連続である。

(ロ) 一方、 f(a) は (あ) から a>0 で 
f′(a)=-1/{a(a+1)^2} と微分可能であるから、
区間 (0,∞) で平均値の定理が成り立つ。

(ハ) したがって、 0<a1<b なる区間 [a1,b] に平均値の定理を適用すると、
{f(b)-f(a1)}/(b-a1)=f(c1), a1<c1<b を満たす c1 が
存在する。
いま、 f′(c1)=-1/{c1(c1+1)^2}<0 かつ b-a1>0 
であるから、
f(b)-f(a1)<0 で f(a) は単調に減少する。
また、 
lim_[a→∞}f(a)=lim_[a→∞}[log{1+(1/a)}-{1/(a+1)}]=0
よって、常に 0<f(a)
これで与式不等式の左半分が言えた。

(2) 同様にして、 g(a)={log(a)+(1/a)}-log(a+1)
=log{a/(a+1)}+(1/a) とおくと、
区間 (0,∞) で g(a) の連続性と微分可能 g′(a)=-1/{(a
+1)a^2}<0 とが示され、区間[a2,d] ( a2>0 ) で平均値の定
理が成立して、
{g(d)-g(a2)}/(d-a2)=g′(c2), a2<c2<d を満
たす c2 が存在する。
いま、 g′(c2)<0 かつ d-a2>0 であるから、
常に g(d)-g(a2)<0 で g(a) は単調に減少する。
また、 
lim_[a→∞}g(a)=lim_[a→∞}log[1/{1+(1/a)}]+(1/a)=0
よって、常に 0<g(a)
これで与式不等式の右半分が言えた。

ということでどうでしょうか。


お便り2006/11/1
from=S~(社会人)


p.s.こんにちは、補足( 蛇足? )です。

(3) なお、 f(a),g(a) が a>0 の正の領域での単調減少関数で
あることは、

 f(1)=log(2)-(1/2)=log(2/√e)>0
 g(1)=1-log(2)=log(e/2)>0

を見れば明らかである。