質問<3667>2008年1月11日
from=たかし
「曲線に囲まれる部分の面積」


 曲線 2ⅹ^2+2ⅹy+y^2=1 によって囲まれる部分の面積を求めよ。 

★希望★完全解答★

お便り2008/1/12
from=平 昭


  こんばんは。
 これは考え方が二つあります。
一つは地道に計算する方法です。
もう一つは、ほとんど計算不要ですが、
ちょっと知識が必要です。大学生なら知っている知識ではないでしょうか。

 まずは地道なやり方から。
 
2ⅹ^2+2ⅹy+y^2=1をy について解くと

y=-x±√(1-x^2)
となり、yが実数として存在するxの範囲は-1≦x≦1

題意の曲線は-1≦x≦1の範囲で
上側の曲線 y=-x+√(1-x^2) と
下側の曲線 y=-x-√(1-x^2)に囲まれた閉曲線となる。
(グラフを描いてみれば分かる。)

だから求める面積をSとおけば

S=∫_-1^1 {(-x+√(1-x^2))-(-x-√(1-x^2))}dx

  =2∫_-1^1(√(1-x^2)dx

 これは積分計算するまでもなく、半径1の半円の面積の2倍。
よって
 S=π

 次に、計算省略型の解法です。

2ⅹ^2+2ⅹy+y^2=1を変形して
x^2+(x+y)^2=1
ここで

f(x)=(1 0)(x)=(X)
 (y)   (1 1)(y)  (Y)

という一次変換を用いて、題意の曲線を変換する。
(どうも行列表示が読みにくいので念のため書くと、
 X=x    Y=x+y   という変換です。)
すると明らかに
 X^2+Y^2=1 で、変換後の図形は単位円である。

 そして、一般に2行2列の行列Aによる一次変換によって、
変換後の図形の面積は変換前の面積の|detA| 倍となる。
ここで、detAはAの行列式を意味する。、、、、★

(★を知らないと、この解法が使えません。
知っていれば、題意の曲線の式が、一次変換で円になるのはすぐ分かりますから、
変換してみて後は行列式で割る、というのを思いつくでしょう。)

 そして、fの変換行列の行列式は1だから、変換前後で面積は変わらない。
よって、求める面積をSとおけば
 S=π