質問<3697>2008年3月23日
from=小豆
「証明」


     0≦a<π/2, 0≦b<π/2のとき,
tan (a+b)/2≦1/2(tan a+tan b)が成立することを
証明せよ。
  
 
図を使わず、計算で証明したいのですが、良きアドバイスを
下さい。宜しくお願いします。

★希望★完全解答★

お便り2008/3/31
from=平 昭


 ええと、問題の書き方がはっきりしませんが、たぶん
tan {(a+b)/2}≦(tan a+tan b)/2
(0≦a,b<π/2)
を証明せよという問題ですよね。こうだと思って説明をします。

簡単に言うとこれは、y=tan(x)のグラフが
「下に凸」ということです。だから、うんと略解にすれば

「tan(x)の2階微分>0(0<x<π/2)で、
グラフは下に凸であるから成り立つ」
というのもありでしょう。

ていねいに書くと次のような回答もできます。

a=bだと題意の式の左辺と右辺は等しくなって、
題意の成立は自明です。a<bのときを考えます。

まず、点(a,tan(a))と(b,tan(b))を通る直線を考えて
f(x)を
f(x)=tan(a) +  (x-a)(tan(b)-tan(a))/(b-a)と定義します。

次にF(x)を F(x)=tan(x)-f(x)と定義します。
F(a)=F(b)=0ですね。

さて、区間a≦x≦bでのFの挙動を考えます。

F'(x)=tan'(x)-(tan(b)-tan(a))/(b-a)です。
ここで、

「F'(x)の微分=tan(x)の2階微分>0(0<x<π/2)」
(計算は省略します。)ですから、

F'(x)は単調増加です。
さらに、平均値の定理より、a<c<bであるcに対して
tan'(c)=+(tan(b)-tan(a))/(b-a)となります。
つまり F'(c)=0です。

ということで結局、

F'(x)<0(0<x<c)  F'(c)=0  F'(x)>0(c<x<b)となり

F(x)はa<x<cで減少、c<x<bで増加です。

これとF(a)=F(b)=0を考え合わせれば、
F(x)<0(a<x<b)  がわかります。

そして、この特別な場合として
F((a+b/2))=tan {(a+b)/2}-(tan a+tan b)/2<0

つまり tan {(a+b)/2}<(tan a+tan b)/2 となります。