質問<3804>2010/11/1
from=JK
「実数解」


任意の実数aに対して、x^3-2x-a(x^2-1)=0は3つの実数解をもつことを示せという問題があるのですが、わからないので教えてください。

★希望★完全解答★

お便り2010/11/8
from=平 昭


 こんばんは。3次関数=0、という方程式が3つの実解を持つ、というのをイメージと
してどう捕らえるかですね。

 グラフを考えると(この場合は3次の係数>0ですから)、値が遠い左下(負の無限大)
からずーっと増えてきて、0を超えたところで減り始め、1回は0より小さくなってから、
また増え出して正の無限大へ、という形になれば実解3つになります。

 つまり、3次関数の値が「負→正→負→正」と変化すれば〇K。これを数式でどう表現す
るか、と考えると、次のような回答が浮かびました。
 (なおこういう時は、定数aの値に関係なく言えることはないか、と考えるのがコツの一
つです。具体的に解をaで表そう、などと考え出すと大変ですが、問題はそんな要求をして
いません。)

 f(x)= x^3-2x-a(x^2-1)とおく。

 f(-1)=1>0、f(1)=-1<0 
 (1と-1は、aでくくられたカッコの中が0になる値として選びました。これで、上で
説明した変化のまん中の部分「正→負」ができたわけです。)

 一方、f(x)は3次の係数が正の3次関数であるから、
 十分に大きな正の数K>1を一つ選んで、
 f(-K)<0、f(K)>0 となるようにできる。
 書き直すと
 -K<-1<1<K
  f(-K)<0、f(-1)=1>0、f(1)=-1<0、f(K)>0
 である。
 ここで、f(x)は連続関数であるから、中間値の定理(★これがこの回答のポイントです)
より

 方程式 f(x)= 0は 開区間(-K、-1)、(-1、1)、(1、K)のそれぞれに、
少なくとも一つずつの実解を持つ。

 つまり、実解の数は3個以上となる。一方、3次方程式が4つ以上の解を持つことはない。
 よって、この方程式は3個の実解を持つ。