質問<3838>2012/12/27
from=ajakong
「軌跡」


xy平面上で3つの点がそれぞれx軸上の点A(1,0),B(-2,0),C(c,0)から
同時にそれぞれの速さ1,2,3で直線運動を開始し、ある時刻後1点で会した
cはどんな値の範囲か?
先生の解答を聞いてもわかりませんでした 教えてください

★希望★完全解答★

お便り2013/1/8
from=平 昭


 こんにちは。ちょっと問題文があいまいですね。この文章では、直線運動を開始した後、
それぞれの点の速度はどう変化したのか、が書かれていません。ですから「cは任意の値を
取り得る」が正解になります。

 (3点が運動開始後の適当な時点で、いずれ会合する地点につけるように運動の向きや速
さを変えれば、cの値がいくつでも、会合地点がどこでも、関係なく達成できることは明ら
か。)

 出題者がこんな解答を期待しているとは思えませんが、この問題文を書いてしまったら、
この解答に満点を与えるしかありません。テストにこの問題が出たら、この解答で十分。
考える時間は他の問題に使いましょう。

 さて問題の意図を「3点は直線運動を開始した後、『ずっと同じ速さで直線運動を続け』、
3点とも『同時に』定点Pに達した」と解釈すれば、cの範囲は限定されます。多分、こう
いう意図なのでしょう。

 この場合、運動開始から3点がPに達するまでの経過時間をtとすれば、それぞれの点の
速さが1、2、3ですから

AP=t
BP=2t
CP=3t

となります。ここで、AP、BP、CPはそれぞれ、線分AP、線分BP、線分CPの長さ
を表すことにします。

(問題を解くときは、こうやって問題文の条件を数式で表すのが大切です。式にすると、
条件がいろいろ変形できて、解答につながりやすくなります。)

ですから
 BP=2AP、、、、、①
 CP=3AP、、、、、②
です。

ここで、Pの座標をP(x,y)と置くと、
①より

(x+2)^2+y^2=4{(x-1)^2+y^2}

で、整理すると

(x-2)^2+y^2=4、、、、③

が得られます。Pは、③が表す円の上にあるわけです。

また、②より

(c-x)^2+y^2=9{(x-1)^2+y^2}、、④

が得られます。

さて③より、y^2=4-(x-2)^2であり、
これを④に代入して、cについて解くと

c=x±√{(x+7)^2-40}、、、、⑤

 となります。

 xの存在範囲は③より、0≦x≦4ですから、
この範囲でcの値の範囲を考えればよいわけです。

 ここで
 x+√{(x+7)^2-40}は上記の範囲で単調増加なのは明らかで
3≦x+√{(x+7)^2-40}≦13

x-√{(x+7)^2-40}は、微分すると上記の範囲で単調減少とわかり

-5≦x-√{(x+7)^2-40}≦-3

結局、求めるcの値の存在範囲は

-5≦c≦-3 または 3≦c≦13

となります。