質問<430>2001/3/22
from=ごんべぇ
「空間とコーシー・シュワルツ」


x.y.zが任意の実数値をとるとき 
不等式 
x+y+z≦a×√(x^2+y^2+z^2) 
が常に成立する。 
このとき定数aの最小値を求めよ 

(解説)
ベクトル(1,1,1)と(x,y,z)にCauchy-Schwarzをつかって、 
x+y+z≦√[3(x^2+y^2+z^2)] 
等号はx=y=zのとき、またそのときのみ成り立つ
min(a)=√3 

・・・・・・・・・・・・・・・・・
上の問題で解説が書かれているのですが
この解説がまったくわかりません(汗
また空間ベクトルにシュワルツ不等式を使っていますが
空間ベクトルとシュワルツの不等式について
図を用いて丁寧に解説していただけないでしょうか?
御忙しい中恐縮ですがよろしくお願いします


お返事2001/3/23
from=武田


シュワルツの不等式は、ベクトルの内積の定義より導かれたものなので、
 → →    →   →
(x・y)2 ≦|x|2 |y|2 

問題を解くときにベクトルが使われる。
なお、内積の定義は、
→ →  →  →
x・y=|x||y|cosθ

x+y+z≦a√(x2 +y2 +z2 )
の最小値aを出すために、ベクトルを使うのは奇異に思うが、シュワルツ
の不等式を使うためには仕方がない。
→          →
x=(x,y,z) |x|2 =x2 +y2 +z2 

→          →
y=(1,1,1) |y|2 =3

内積
→ →
x・y=x+y+z

シュワルツの不等式より、
(x+y+z)2 ≦3(x2 +y2 +z2 )
平方根をとって、
x+y+z≦√3√(x2 +y2 +z2 )
したがって、
x,y,zは任意の実数値のとき、上のシュワルツの不等式が成り立つ。
なお、x=y=zのとき、等号が成り立つ。
aは√3より大きければ、この不等式は成り立つが、その中で最小値は
∴a=√3……(答)