質問<906>2002/8/1
from=ゆき
「証明の問題」


証明せよ。
①6n+5(n:0以上の整数)の形の素数は無限個存在する。
②1辺が2cmの正三角形ABCがある。この三角形の内部(3辺の内側)
 に17個の点をとると、
 ある5つのてんの距離は互いに1cmより短くなる。
③外見が同じ、3のn乗のおもりがあり、そのうち1つだけ重さが違って、
 それが重いことがわかっている。
 天秤をn回使うと、その1つのおもりを発見できる。

夏休みの宿題なのですが、以上の3問がわかりません・・・(-_-;;)
解き方を教えてほしいです。お願いします。


お便り2002/8/8
from=Tetsuya Kobayashi


(1)
6n+5 型の素数が有限個しかないと仮定し、
その最大のものを p とする。
6n+5 型の素数全ての積に 6 を掛け、5 を足した数を a とする、
すなわち
a=6(5*11*...*p)+5
(i)
a が素数のとき、a が p より大きい 6n+5 型の素数となる。
(ii)
a が合成数のとき、a は 6 で割ると 5 余るので、奇数である。
また、3 で割ると 1 余るので、3 の倍数でない。
したがってその素因数は全て 3 以外の奇数であるから、
6 で割って 1 または 5 余る。
6n+1 型の数をいくらかけても 6n+1 型の数になるので、
6n+5 型の数の素因数の中には必ず 6n+5 型の数がある。
その1つを b とする。
a は 5 から p までの 6n+5 型の素数のいずれによっても
割り切れないから、
b は 5 から p までの 6n+5 型の素数のいずれとも異なる。
したがって、b は p より大きい。
以上(i)(ii)、仮定に矛盾する。
したがって、6n+5 型の素数が無限に存在することが示された。

(2)
AB, BC, CA の中点をそれぞれ P, Q, R, とし、線分 PQ, QR, RP 
を作図すると、
正三角形ABCは4つの領域に分割されます。
(領域の周は共有するものとします。)
正三角形ABCの内部に17個の点を配置すると、鳩の巣箱の原理より、
4つの領域の最低でもいずれか1つには、5個以上の点が配置されて
いることになります。
この領域の任意の2点間の距離は1cm未満ですから、含まれる5個以上
の点の距離は互いに1cm未満になります。
その中から任意の5個の点を選んでやれば、その5個の点の距離は
互いに1cm未満になります。

(3)
(I)
n=1 のとき、
3個のおもりのうち任意の2個をとってきて天秤にかける。
(i) 天秤がつりあっていれば、天秤にかけなかったおもりが問題の
おもりである。
(ii) 天秤がつりあっていなければ、下がった台に乗っているおもり
が問題のおもりである。
したがって、1 回で発見できる。
(II)
n=k のとき成立、すなわち、3^k 個のおもりの中から k 回で発見
できると仮定すると、
n=k+1 のとき、3^(k+1) 個のおもりを 3^k 個ずつの3グループに分ける。
3グループのうち任意の2グループをとってきて天秤にかける。
(i) 天秤がつりあっていれば、天秤にかけなかったグループに問題の
おもりがある。
(ii) 天秤がつりあっていなければ、下がった台に乗っているグループに
問題のおもりがある。
ここまで天秤を 1 回使った。問題のおもりがあるグループは 3^k 個の
おもりから成立しているので、
仮定より、あと k 回天秤を使えば、問題のおもりが発見できる。
すなわち、k+1 回で発見できるので、n=k+1 でも成立。
以上(I)(II)より、
全ての自然数 n について題意が成立することが示された。