質問<105>98/12/24
from=倉本達也
「センタープレ試験・三角比」


こんにちは、なぜ数学1・Aの三角比で四角形の問題が出る
のですか?
という質問をした倉本達也というものです。

数学は中学2年までは得意科目の一つでした。

しかし、学区割りの変更に伴う中学校転校をした中学3年生
のとき、非常に横柄で、しかも他の中学問題を自ら出してお
きながら「おれはxx中学校の先生じゃないから分からない」
という恐ろしく非常識な発言をしていた教員に出会ってしま
ってからは、数学が嫌いになり大学入試でも数学を使わず私
立大学の法学部に進学しました。

しかし、マンモス私大法学部の退屈さの中、入学前うすうす
考えていたように生物学領域を専攻したいと思うようになり
ました。現在は出来れば医学部、学力的に難しければ理学部
入学を考えています。

それゆえ独学で勉強をしていたのですが、ことし3度目のセ
ンター型模擬試験で初めて四角形の問題が出たので、自分が
数学1の範囲を勘違いしていたのかと思い、かなり衝撃を受
けました。

以下に問題を書きます。

駿台予備校1998年センタープレ試験数学1・A
第2問
{2}
円に内接する四角形ABCDがありAB=BC=3 CD=4
である。
(1)AD=7のとき
∠A=(シス)°
BD=√(セソ)
△ABCの外接円の半径=√(タチツ)/(テ)
である。

(2)AC、BDの交点をEとする。EがACの中点のとき
AD=(ト)
BE=(ナ)/(ネ)
である。

以上。

正直言って数学が中学2年まで得意だったわりに、図形分野
をものの見事に忘れていたようです。
「四角形を分割する2つの三角形にできる」ということを忘
れていたのですから。
”中点”も中点連結定理とかいうのがあったようなないような..

予備校の模範解答をみても
「三角形2つを合体させて1つの四角形を作れる」
などといった事は書いてないので数学1の範囲のどこかに平
面幾何があったのかと思いずっと、書店などで本をにらんで
ました。

三角比は図形がらみの出題なので個人的に好きではないです。
関数のように数式とグラフの問題が勉強しやすいです。

よろしければ三角比をするうえで重要な図形の定理などを
教えていただきたいです。

以上。


お返事98/12/25
from=武田


問2(1)

△ABDと△CBDにおいて、BDを求める余弦定理より
32+72-2・3・7cosA=32+42-2・3・4cos(180°-A)
cosA=1/2∴∠A=60°……(答)

BD2=32+72-2・3・7・(1/2)
   =37
∴BD=√37……(答)

△ABCと△ACDにおいて、ACを求める余弦定理より
32+32-2・3・3cosB=72+42-2・7・4cos(180°-B)
cosB=-47/74
公式sin2θ+cos2θ=1より
sinB=√{1-(-47/74)2}
AC2=32+32-2・3・3・(-47/74)
   =1089/37
AC=√(1089/37)
△ABCにおける正弦定理より、
2R=AC/sinB
  =√(1089/37)/√{1-(-47/74)2}
∴R=√(111)/3……(答)

問2(2)

△ABEと△CBEにおいて、AB=BC=3、点EはAC
の中点よりAE=CE
BEは共通。したがって△ABE≡△CBE
したがって対角線BDとACは直交する。
円の弦ACに対する垂直二等分線BDと円の交点Dは二等辺
三角形△DCAを作るから、
∴AD=CD=4……(答)

△ABDと△CBDにおいて、BDを求める余弦定理より
32+42-2・3・4cosA=32+42-2・3・4cos(180°-A)
cosA=0∴∠A=90°

△ABDは直角三角形より、3:4:5の三辺の比が成り立つ。
△ABEと△ABDにおいて、
∠ABE=∠ABD(共通)
∠AEB=∠BAD=90°
したがって△ABE∽△ABD
BA:BD=BE:BAより
3:5=BE:3
∴BE=9/5……(答)