質問<19>98/6/22
from=Hideo Nakayama
「円周率が無理数の証明について」


I am a retiree living near Los Angeles, California, USA.
I go to a community(2-year) college and tutor students
 in mathematics and sometimes physics homework problems,
 earning $5.15/hour--I consider it as a volunteering.
One instructor asked me how to prove 
that pi (3.14159....) is an irrational number.
Neither he nor I could answer that question.
You may send me an e-mail in either English or Japanese.
                             Sincerely yours,
                             Hideo Nakayama


お返事98/6/22
from=武田


英語で表現するのが苦手ですので、日本語でいきます。

紀元前の昔から、「円周の長さと直径の比は一定である」と言うことが
わかっていて、その比を後世で円周率と呼び、πという記号を作ったのでした。
そのころから、比であれば分数表現ができると思い、努力して、
355  などを考え出し、小数第6位まで正しい近似値を求めています。
113
しかし、正n角形の辺の長さの計算や無限級数や連分数の計算が発展していくと、
πをあらわす小数の桁数が増えていきました。精確さが増していったわけです。
次に、その小数が循環小数になれば、必ず分数で表現できるから、循環小数探しが
始まりましたが、結局循環小数は見つかりませんでした。
そこで、πは有理数でないことがわかり、πは無理数に落ち着いたのです。

さらに、無理数は代数方程式の解になりますが、πは係数が有理数の代数方程式
の解にはならないので、「超越数」と呼ばれるものになります。他に自然対数のe
があります。
πを、有理数でも代数的無理数でもない数「超越数」として証明したのが、
1882年のリンデマンや1912年頃のジョージ・カントールたちです。
その証明は難解を極めるので私にはわかりません。詳しくは専門書をご覧下さい。

蛇足ですが、コンピュータを使って現在では10億桁のπの近似値を求めています。
それに使われているステルマーの展開公式は以下のような式です。
π=24tan-1(1/8)+8tan-1(1/57)+4tan-1(1/239)
です。

追伸)πが無理数であることを証明しているホームページを見つけました。
moon.ap.kyushu-u.ac.jp/~math/history/pai/murisuu.html