質問<195>99/11/18
from=かっち
「連珠の円」


こんにちは!「かっち」です。
先日はどうもありがとうございました。
今日もまた分からない問題があったので力になっていただけ
ないかとメールしました。
どうかよろしくお願いします。

問題 : 半径の等しいn個の円C1,C2,…,Cnが
半径1の円Cに内接し、C1とC2,C2とC3,…,
Cn-1とCn,CnとC1がそれぞれ外接しているものと
する。半径の等しいn個の円の半径をRnとするとき、以下
の問いに答えよ。

(1)lim(nRn)=πを示せ。
   n→∞

(2)(ア)θ>0のとき、sinθ>θ-θ(三乗)/6が
      成り立つことを示せ。

   (イ)(ア)を用いて、lim{n(π-nRn)}を
      求めよ。    n→∞

<ヒント>
(1) Rn={sin(π/n)}/{1+sin(π/n)}


お返事99/11/20
from=武田



(1)内接する1つの円の幅の角度は2π/n
その真ん中を通る接線の角度はθ=2π/n÷2=π/n
接線は直角になるからsinθ=Rn/(1-Rn)
変形して、
Rn=sinθ/(1+sinθ)
  =sin(π/n)/{1+sin(π/n)}

     sin(π/n)      π
n・Rn=────────×────────────
      (π/n)   {1+sin(π/n)}

              sin(π/n)    π
lim(n・Rn)=lim ─────×───────
n→∞       π/n→0 (π/n)   {1+sin(π/n)}

         =1×π/{1+0}=π……(答)

(2)(ア)は、この図には関係なくマクローリン展開から
求められる。
sinθ=θ-θ3/3!+θ5/5!-……

         θ2n-1
lim (-1)n-1──────=0より、
n→∞     (2n-1)!

sinθ≒θ-θ3/3!+θ5/5!
したがって、θ>0より、
sinθ>θ-θ3/3!
∴sinθ>θ-θ3/6
この連珠の円に関連させながら、マクローリン展開を使わな
いで、この式を出すのは不明!!!

(2)(イ)(ア)を用いて、lim{n(π-nRn)}を
              n→∞
求める方法について関谷先生からアドバイスを頂きました。
下に掲載します。


お便り99/11/23
from=Toshio Sekiya


こんにちは。質問195の(2)の(イ)です
 
分かり易いように、π/n=θと置きます。
n→∞ のとき、θ→0 です。
n=π/θとなるので、
 
n(π-n・Rn)
=(π/θ){π-(π/θ)Rn}
=π2(θ-Rn)/θ2
=π2{θ-sinθ/(1+sinθ)}/θ2
=π2(θ+θsinθ-sinθ)/θ2(1+sinθ)
=π2{θsinθ/θ2+(θ-sinθ)/θ2}/(1+sinθ)
=π2{sinθ/θ+(θ-sinθ)/θ2}/(1+sinθ)
{}の中の第1項sinθ/θは、θ→0 のとき、1になる。
{}の中の第2項(θ-sinθ)/θ2は(ア)より、
0<θ-sinθ<θ3/6 だから、
0<(θ-sinθ)/θ2<θ3/6θ2=θ/6
不等式の両側は0に収束するから、中辺も0に収束する。
以上から、
lim n(π-n・Rn)=π2……(答)
n→∞