質問<199>99/12/7
from=iyiy
「極限」


先日は「無限等比級数の和」について教えてくださいまして
有り難うございました。
いただいた回答に関して、もう少しご教授いただけますと幸
いなのですが、

 したがって、
 S=lim Sn を計算するためには、次のように場合分けをする。
   n→∞
 (1)r>1のとき、lim r(のn乗)=∞
         n→∞
 (2)r=1のとき、lim r(のn乗)=1
         n→∞       
 (3)-1<r<1のとき、  
           lim r(のn乗)=0
         n→∞
 (4)r≦-1のとき、
           lim r(のn乗)=振動
         n→∞
 したがって、
 -1<r<1のときのみ極限があるから、
 S= a/(1-r) (ただし、-1<r<1)・・・(答)
      
というところで、(1)~(4)のようになるのはわかるのですが、
なぜ(3)だけが選ばれるのでしょうか?
たぶん私は極限ということがわかっていないのだと思います。
もしお時間があれば教えていただければ幸いです。

では失礼いたしました。


お返事99/12/7
from=武田


等比数列の初項から第n項までの和は
   a(1-rn)
Sn=─────── ……(A)
    1-r
S=lim Sn を計算するためには、場合分けをする。
  n→∞
(1)r>1のとき、   lim r(のn乗)=∞
           n→∞
(A)より∞計算をすると、
1-∞=-∞
a×(-∞)=-∞(aは正数とする)
-∞÷負定数=∞
∴Sは∞に発散する。

(2)r=1のとき、   lim r(のn乗)=1
           n→∞
r=1のときは、Sn=na
lim na=∞
n→∞
∴Sは∞に発散する。

(3)-1<r<1のとき、 lim r(のn乗)=0
           n→∞
(A)より∞計算をすると、
1-0=1
a×1=a
a÷正定数(1-r)=定数
∴Sは定数に収束する。

(4)r≦-1のとき、   lim r(のn乗)=振動
           n→∞
(A)より∞計算をすると、
1-振動=振動
a×振動=振動
振動÷正定数=振動
∴Sは振動する。

 したがって、
 -1<r<1のときのみ収束するので、極限値がある。
 S= a/(1-r) (ただし、-1<r<1)
が答となる。