質問<2031>2004/10/30
from=ハナマル
「証明」


自然数nに対し,nの正の約数をd1,d2,・・・・・・,dmとする.
このとき,A(n)を,A(d1)×A(d2)×・・・・・・×A(dm)=n を満たす
関数として定める.
すると,
A(1)=1,A(1)×A(2)=2,A(1)×A(3)=3,A(1)×A(2)×A(4)=4,
A(1)×A(5)=5,A(1)×A(2)×A(3)×A(6)=6,・・・・
のような関係式がそれぞれの自然数nについて成り立ち,その関係式を
用いれば,A(n)を求めることができるというわけです.
だから,A(1)=1,A(2)=2,A(3)=3,A(4)=2,A(5)=5,A(6)=1,・・・・
というふうになります.
このとき,おそらくどのようなnに対してもA(n)は自然数になると思う
のですが,それを証明することはできないでしょうか.
数学的帰納法を用いるにしても,それぞれの数について,
約数は異なるので難しいと思います.

★希望★完全解答★

お便り2004/10/31
from=honda


整理するとこうなるのでしょうか
結局ほとんどの場合は1になるはずですね

n=1のときA(1)=1と定める
n=k-1のとき,
nの約数を,
1,d_1,d_2,...,d_{l},n
(1<d_i<n,i=1,2,...,l)
とおき,
A(1)*A(d_1)*A(d_2)*・・・*A(d_l)*A(n)=n
によって,A(n)を定める.
このとき,A(n)は自然数であることを示せ.

これを示すには,
以下のことを証明すれば十分でしょう.

(1) 
素数p及び自然数nに対してA(p^n)=p
(2) 
相異なる素数p_1,p_2,...,p_k (kは自然数で2以上),
自然数n_1,n_2,...,n_kに対して
A(p_1^{n_1}p_2^{n_2}・・・p_k^{n_k})=1

(1)の証明はnに関して帰納法.
(2)に関しては
n_1=n_2=・・・=n_k=1の場合でkに関して帰納法.
そしてX=p_1p_2・・・p_nとして
A(qX)=1(qは素数)
を示せば十分.
このqXの場合に対しては,
X=pqの場合だけ示せれば十分でしょう.
#これも一種の帰納法です.

これら(1)(2)が示せれば,
自然数は素因数分解できることと,
素因数分解をして
p_1^{n_1}p_2^{n_2}・・・p_k^{n_k}
となった自然数の約数は
(1+p+・・・+p^{n_1)(1+p_2+・・・p_2^{n_2})
・・・(1+p_k+・・・p_k^{n_k})
の各項であることから
A(n)が自然数であることは示せます.