質問<2373>2005/5/22
from=ガウス
「指数について」


私は、今学校で指数関数について習っています。
しかし3の3分の2乗という数が、存在するなんて考えられません。
なぜそのような数が存在するのですか?

★希望★完全解答★

お便り2005/5/27
from=UnderBird


しかし3の3分の2乗という数が、存在するなんて考えられません。
存在するか?という質問がとーっても難しい問題だと思う一方で、あなたの質問の
意味が、「3を3分の2乗するなんてどうやっても考えられない」という気持ちから
ならば、少々参考になるかもしれません。
まず、3乗根9という数(3乗したら9になる数)は想像できますか(認められます
か?)まだ、y=x^3のグラフは正式に学習していませんが、グラフを利用すると
3乗したら9になる数xが存在することは納得してもらえると思います。(大学の数
学では、グラフでこうだから・・・というのでは証明になっていませんので、あく
まで直感的に認めてください)
 さて、3の3分の2乗というものですが、これをとにかく3乗してみましょう。私
たちは指数法則が有理数でも成り立つ(矛盾が起こらない)ように、この3の3分の
2乗ってものを考えていきたいわけです。
すると、指数法則よりこれが3^2=9となることから、この3の3分の2乗ってもの
は、3乗して9になる数、すなわち3乗根9を表すものと考えてよいとなったわけ
です。ですから、3の3分の2乗という表記されたものは、3乗根9を表すもう一つ
の表現方法と考えればいかがでしょうか?


お便り2005/5/27
from=亀田馬志


僕も昔学校でオイラーの公式について習ったんですよ。しかし自然対数eのi(虚数)乗
という数が存在するなんて考えられません(笑)。なんでそのような数が存在するんで
しょう?あはははは(笑)。
いや、失礼。決して『馬鹿にしてる』ワケじゃないんです。むしろこの質問はかなり
『高度な質問』なんじゃないかな?と言うか、『数学』の一側面に対しての本質を付い
てると思います。単に『3の3分の2乗』の説明してもあまり芸が無いんで、ちょっと
雑談して行きましょう。
前別のトコ(質問<2316>2005/5/1)でも書いたんですが、極論数学で扱
う『数』ってのは

・『存在してる/してない』

ってのはあまり関係無いんです(笑)。原則的にみんな『人間側』が勝手に決めた約束
事、つまり『定義』ですね、それの一般化を狙って体系を作るのが数学の少なくとも
一つの側面なんです。
ちょっと次の文章を考えてみて下さい。

『リンゴがテーブルの上に-1個あります。』

これって意味分かりますか?ちょっと考えてみて下さい。答えは60秒後(笑)。









はい。ハッキリ言って『テーブルの上にリンゴが-1個あります』なんて状況は『あ
り得ない』です(笑)。僕等が分かるのはニュアンスだけですよね(笑)。
ちょっと次のようなシチュエーションを考えてみます。
『テーブルの上にリンゴが2個あります。ここで3人の人間がリンゴを1つづつ食べま
した。残ったリンゴは何個でしょう?』
とか言う問題を作るとします。まあ、現実には起こらないですよね。僕の解答なら
『殴り合い』です(笑)。じゃなけりゃあ、リンゴフツーは包丁持ってきて人数分キ
チンと切るよ(笑)。全部一人で食べんのはジャイアンくれえだろ(笑)。しかも残っ
たリンゴは絶対『-1個』にはなりません(笑)。単なるゼロです(笑)。
しかしながら『数学的』には『-1個』って解は許されるんです。それは一体何故な
んでしょうか?
それは元々『整数』ってのが『自然数って概念の拡張』によって『人間が勝手に決
めた』モノだからです。つまり『現実に即応してるかどうか』ってのはあんま関係
無いですし、二の次です。ちょっと次の例を見てみましょう。

問) 2-3を解け。

コレは恐らく4,000年くらい前の人類なら(笑)、『解はありません』って答えていた
と思います。何故なら2から3は引けないですし、ましてや『ゼロ』なんて概念も存在
していなかった。こんなのは『解が存在しない』質問だったんです。
一方現代人の僕等は答えられますよね。何故か?それは『四則演算が成り立つように
負の整数』ってのを『定義』したから、なんです。つまり『足し算、引き算、掛け算、
割り算が成り立つように』新しく勝手に『数字を作っちゃった』んです。ココがポイ
ントです。
良く最初、(小学校のトキかな?)初めて『負の整数』ってのを教わるトキ、『概念』
を説明すんのに『温度計があるでしょ?マイナスの温度とかありますよね』とか算数
の先生が大ウソ言って誤魔化しますが(笑)、アレも実際は全然逆で、ホントは『概
念』が先にあって、摂氏の温度計をああやって設定したに過ぎないんです。アレ慣れ
ると華氏(ファーレンハイト)の温度計なんて全然ワケ分かんないですし(笑)、『じゃ
あ絶対零度で定義した温度のマイナスって何なんだ?』とか(笑)、『負の質量なんて
あるのか?』だとか(笑)、ちょっと『理論物理』に片足突っ込みそうなアブない話題
が出てきます。たまたま『摂氏温度計』の場合は(少なくとも日本に於いては)『負
の整数』の数学的概念が『一般普及した』に過ぎないんですよね。要するに『数学的
抽象概念』の『応用』に過ぎないんです。
お分かりでしょうか?例えばガウスさんが『虚数iが実在するのかどうか』悩んだ経緯
があるかどうか知りませんが、実際『虚数i』って概念を『積極的に利用しよう』っ
てなったのも実はここ300年~400年以内の話なんです。(確かオイラーがオフィシャ
ルに出版物等で使い出したのが近年では最初。しかしながら“存在”はそれ以前から
知られてはいた。が議題がアブなそうなんで数学の主要なテーマにはなり得なかっ
た。)

ってなワケでその意味は学校で『イヤ』と言うほど叩き込まれてるでしょうから、敢
えてその『計算上の意味』ってのは書きませんが(と言うよりクドくなるでしょ?参考
書で書かれてるような事をここに書かれても。)、

『3の3分の2乗という数が、存在する/しない』

ってのが問題なんじゃなくって、

『指数の乗数上の乗法/除法が成り立つように』3の3分の2乗って数が『定義され
てる』って言った方が正しいです。人間側が勝手に決めた『ルール』なんですよ。
その『ルールに則ってゲームをすると』ってのが今ガウスさんが勉強してる『指数
関数』って項目なんです。

結構いっつも乱暴な事書いてますが、許してください(笑)。お詫びにちょっと余
談を。
昔チラ、って読んだ本に次の様な事を書いてました。
『通常n次元空間と言うモノを定義する場合nは必ず整数となる』
まあ、コレはイイですよね。3次元空間に僕等は住んでますし、相対性理論上は4次
元空間に僕等は住んでます。ホントはいわゆる『空間』で解釈するのは間違いなん
ですが、(と言うのも数学で言う空間=spaceってのは現代数学上“平面上の”とか
“立体上の”ってのを特に意味するワケではありません。一次独立な基底ベクトル
が何個あるのか、ってのが問題なんであって、コレらは本当は“集合論”に属しま
す。良く知りませんが・笑。つまり“ベクトル”って概念も今や“方向と量”を意
味するワケでも無いんです。一方僕等が普通扱うベクトルは幾何学用に特化した
特に“幾何ベクトル”と読んで“一般化された概念上のベクトル”とは区別して
います。)数学的には『5次元』であろうが『6次元』であろうがはたまた『n次元』
であっても構わないんですね。『nが整数であれば』。数学者ってスゴイですね(笑)。
ところがどっこい、その本では次のような事を言い出した輩までいるらしい(笑)。
『しかしながら分数で表されるn/m次元を主張しだした人間がいる』
もうぶっ飛びまくりです(笑)。まあ、『概念』ってのは抽象的なモンなんで、どこ
までも『拡張する/出来る』ならやって下さい(笑)。そのウチ(多分今後200年くら
いで・笑?)『実用的』レベルまで下がってくるかも(笑)。
ちなみにその『分数次元』を通称『フラクタル』と言うらしいです(笑)。(聞いた事
あるでしょうか?)