質問<2390>2005/5/28
from=漸化式苦手学生
「漸化式の極限値」


漸化式
a(1)=C,a(n+1)=√〔a(n)+2〕 
〔n=1,2,3 ・・・〕
ただし,CはC≧-2をみたす定数とする。
このa(n)の極限値lim x→∞ a(n)を教えてください。

★希望★完全解答★

お便り2005/5/29
from=juin


質問<2374>に解答があります。
a(1)=C,a(n+1)=√(a(n)+2)
lima(n)=xとすると、x=√(x+2)
x^2=x+2
x^2-x-2=0
(x-2)(x+1)=0
x=2,-1第2項から先はa(n)>0だからlima(n)=2


お便り2005/5/31
from=漸化式苦手学生


アドバイスありがとうございます。
どうも解法の流れがわかりません。
以前の質問・回答と今回、回答いただいた、2つをあわせた形でアドバイスを
いただきたく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

>一般項はわかりませんが、極限値は2です。
>漸化式の両辺から2を引きその絶対値を取って、
>右辺を分母の有理化の逆の操作から、
>|a(n+1)-2|<0.5|a(n)-2|を得ることからみちびけます。

>a(1)=C,a(n+1)=√(a(n)+2)
>lima(n)=xとすると、x=√(x+2)
>x^2=x+2
>x^2-x-2=0
>(x-2)(x+1)=0
>x=2,-1
>第2項から先はa(n)>0だから
>lima(n)=2


お便り2005/6/1
from=UnderBird


まず、極限値があるか、ないかを確かめます。
もし、極限値が存在すると確認できているなら、
lim[n→∞] a(n+1)=lim[n→∞] a(n)=αだから、
α=√(α+2)を解けば、極限値が求められます。

では、極限値が存在するかわからない場合は、
1つは一般項a(n)を求めてから、n→∞とすれば良いですね。
しかし、一般項が具体的に求められなくても不等式による評価で極限値を
求められるものもあるということです。
(しかし、上で述べたようにある程度極限値の存在を確認した上で以下の
不等式を作っているので、その辺は頭の中で考えている順序と解答は逆に
なっていて、初めて解答を見ると不思議な気がするものになります。
その辺は早く慣れてしまって下さい)

a(n+1)-2=√(a(n)+2)-2 
 ここで、分母分子に√(a(n)+2)+2を掛けると
        ={a(n)-2}/{√(a(n)+2)+2}
 √(a(n)+2)+2≧2より
    ≦{a(n)-2}/2
よって、a(n)-2≦{a(n-1)-2}/2
       ≦{a(n-2)-2}/2^2
              ≦{a(n-3)-2}/2^3
               ・・・・・・
       ≦{a(1)-2}/2^(n-1)
よって、n→∞とすると。右辺→0
すなわち、a(n)-2→0
∴lim[n→∞]a(n)=2 となる。
上の不等式は普通絶対値を付けて書くことが多いです。

極限値の存在を確認せずαを求めようとすると
例えば、a(n+1)=2a(n)+1 , a(1)=1のような数列は、∞に発散するのもかかわらず、
α=2α+1を解くと、α=-1となるので注意です。


お便り2005/7/3
from=漸化式苦手学生


UnderBirdさんの回答で、なぜ両辺から2を引くのでしょうか?
教えてください。


お便り2005/7/7
from=UnderBird


両辺からなぜ2を引くのかという質問ですが、もう少し具体的に教えてください。
2は何か という部分は前回説明しました。
なぜ極限値2を引くのかということでしたら、
lim(n→∞)a(n)=2 ⇔ lim(n→∞)|a(n)-2|=0
そして、|a(n+1)-2|=k|a(n)-2| (-1<k<1)
と変形できれば
|a(n)-2|=k^(n-1)|a(1)-2|より
lim(n→∞)|a(n)-2|=0を導ける。

または、もっと違う部分の質問でしょうか?


お返事2005/7/9
from=武田


前の前ののUnderBirdさんの解答の前段で、次のように述べています。
--------------------------------------------------------
まず、極限値があるか、ないかを確かめます。
もし、極限値が存在すると確認できているなら、
lim[n→∞] a(n+1)=lim[n→∞] a(n)=αだから、
α=√(α+2)を解けば、極限値が求められます。

では、極限値が存在するかわからない場合は、
1つは一般項a(n)を求めてから、n→∞とすれば良いですね。
しかし、一般項が具体的に求められなくても不等式による評価で極限値を
求められるものもあるということです。
(しかし、上で述べたようにある程度極限値の存在を確認した上で以下の
不等式を作っているので、その辺は頭の中で考えている順序と解答は逆に
なっていて、初めて解答を見ると不思議な気がするものになります。
その辺は早く慣れてしまって下さい)
--------------------------------------------------------
特に最後の( )の中の「早く慣れて」につきるでしょう。
lim[n→∞] a(n+1)=lim[n→∞] a(n)=αとおくと、
n→∞のとき、
a(n+1)=√〔a(n)+2〕は、
α=√(α+2)
となるから、これを解いて、α=2,-1
a(1)=C(C≧-2をみたす定数)より、
n>2のとき、a(n)>0
したがって、α>0より、α=2

そこで本当に2が極限値になるかは、変形によって確認するわけですが、
そのとき、「引く2(αの数値)」とおくのがコツなのです。
理由は、前ののUnderBirdさんの解答にある
--------------------------------------------------------
lim(n→∞)a(n)=2 ⇔ lim(n→∞)|a(n)-2|=0
--------------------------------------------------------
からきています。


お便り2006/3/24
from=/で


やはり、まず最初に極限値が存在することを示す必要があると思います。
そうすると、それをαとしたらα=√(α+2)だからα=2という単純な話に
なりますよね。

Cとなっているのが曲者で、C と 2 の大小関係で場合分けが必要です。
 C < 2 ⇒ 数列{a_n}は単調増加で、上に有界
 C = 2 ⇒       a_n = 2
 C > 2 ⇒       単調減少で、下に有界
だから数列{a_n}に極限値は存在します。

証明のヒント。
例えば、C < 2 の場合、a_n < 1+2^(1/2) を数学的帰納法で証明すると
上に有界であることが言えますし、単調増加は a_(n+1)=(2 + a_n)^(1/2)
の両辺を2乗したものと a_n=(2 + a_(n-1))^(1/2) の両辺を2乗したものの
辺々の差をとって、因数分解した式から考えると見えるでしょう。