質問<241>2000/3/26
from=oono
「行列の対角化」


毎回丁寧に答えていただいてありがとうございます。
二次の正方行列Αについてその固有値をα,βとし、α,βに対応する
固有ベクトルをそれぞれ(p),(r)として
                      (q) (s)
P=(p r)を作るとP^(-1)ΑP=(α 0)になると参考書に書いて
   (q s)                   (0 β)
あったのですが、何でそうなるのですか。
僕は高校生ですので、絶対理解できないんじゃなければ是非知りたいです。


お返事2000/3/26
from=武田


A=(a b)とすると、固有値αに対して固有ベクトル(p)
  (c d)                   (q)
また、固有値βに対して固有ベクトル(r)より、
                 (s)
(a b)(p)=α(p)……①
(c d)(q)  (q)
そして
(a b)(r)=β(r)……②
(c d)(s)  (s)
                    1  (s -r)
P=(p r)とおくと、逆行列P-1=─────(-q p)より、
  (q s)           ps-qr

       1  (s -r)(a b)(p r)
P-1AP=─────(-q p)(c d)(q s)
     ps-qr      ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^上の①②より

   1  (s -r)(αp βr)
=─────(-q p)(αq βs)
 ps-qr      ^^^^^^^^^^^^^^

   1  ( sαp-rαq  sβr-rβs)
=─────(-qαp+pαq -qβr+pβs)
 ps-qr

   1  (α(sp-rq)     0    )
=─────(   0     β(-qr+ps))
 ps-qr

=(α 0)
 (0 β)
したがって、
2次の正方行列Aは、その固有ベクトルで作った行列Pとその逆行列P-1
により挟まれた計算P-1APにより、対角に固有値がくる行列となる。