質問<3008>2006/3/8
from=mic
「恒等式なのですが」


次の問題を教えてください。
全ての実数xに対して
(x^2+x+a)^2-(bx+c)^2=x^4+2x^3-11x^2-28x-12
が成り立つとき,a,b,cを求めよ。ただし,a,b,cは有理数とする。

左辺を整理して右辺の係数と比較したところ
2a-b^2+1=-11
2a-2bc=-28
a^2-c^2=-12
という3本の式が得られたのですが、
この連立方程式が解けません。

答えはa=2,b=±4,c=±4(複合同順)となっています。

★希望★完全解答★

お便り2006/3/22
from=/で


答えから推測しました。
左辺、右辺ともに、因数分解します。

左辺は簡単ですね。A^2-B^2 の形だから(A+B)(A-B)。
左辺 = {x^2+(1+b)x+a+c}{x^2+(1-b)x+a-c}   ・・・・(1)

右辺ですが、4次式は因数定理が使えないと因数分解は厳しいので、
必ず何かあると信じて始めます。^^;
# 答えから考えてるので (x+2)(x+3)は見えていますが、、、、^^;

因数定理を使う問題では、「組み立て除法」が使いこなせると楽で計算ミスが減ります。
※ 「組み立て除法」については他のページや文献などを参考に勉強してください。

1,-1,2,-2,…と順に組み立て除法を試みると、-2 できれいに 0 になります。
残りの3次式も x^3+0x^2-11x-6 とわかり、さらに3,-3,…と組み立て除法を
試みると、-3 できれいに 0 になります。
まぁ、ここは直接代入してみても知れていますが、組み立て除法を使えば、
残りの2次式が x^2-3x-2 と同時にわかります。

要するに、因数定理より
右辺 = (x+2)(x+3)(x^2-3x-2)

x^2-3x-2 は実数の範囲でこれ以上分解できませんから、

右辺 = (x^2+5x+6)(x^2-3x-2)  ・・・・(2)

(1),(2)の係数比較より、
 1+b=5,a+c=6 かつ 1-b=-3,a-c=-2 ・・・・(3)
または、
 1+b=-3,a+c=-2 かつ 1-b=5,a-c=6 ・・・・(4)

(3),(4)ともに、(a,b,c)が一意に求まり、

  (a,b,c)=(2,±4,±4) (複合同順)

となります。 (解答終り)


お便り2006/3/23
from=angel


(左辺)=(x^2+x+a+(bx+c))(x^2+x+a-(bx+c)
と因数分解できることを利用すると、係数の比較の手間が省けます。

因数分解より、
(左辺)=(x^2+x+a+(bx+c))(x^2+x+a-(bx+c)
(右辺)=(x+2)(x+3)(x^2-3x-2)=(x^2+5x+6)(x^2-3x-2)
x^2-3x-2 は、有理数係数の範囲で因数分解できないため、
右辺を2次式同士の積として表した場合、(x^2+5x+6)(x^2-3x-2)の一通りに定まる。

※x^2-3x-2=0 の解は、無理数 (3±√17)/2 のため

・x^2+x+a+(bx+c)=x^2+5x+6, x^2+x+a-(bx+c)=x^2-3x-2 の場合
 x^2+x+a=1/2・(x^2+5x+6+x^2-3x-2)=x^2+x+2
 bx+c=1/2・(x^2+5x+6-(x^2-3x-2))=4x+4
 よって、(a,b,c)=(2,4,4)

・x^2+x+a+(bx+c)=x^2-3x-2, x^2+x+a-(bx+c)=x^2+5x+6 の場合
 x^2+x+a=1/2・(x^2-3x-2+x^2+5x+6)=x^2+x+2
 bx+c=1/2・(x^2-3x-2-(x^2+5x+6))=-4x-4
 よって、(a,b,c)=(2,-4,-4)

まとめて、(a,b,c)=(2,±4,±4) (複号同順)