質問<308>2000/8/27
from=Toshimitsu Uehara
「2次不等式」


問1
次の不等式が、指定された範囲内において、常に成り立つうに、定数m
の値の範囲をそれぞれ定めよ。
(1)x二乗―2x+m≧0
    (ア)-2≦x≦0  (イ)0≦x≦3  (ウ)x≧0
(2) x二乗+2mx+1≧0
    (ア)0≦x≦2

問2
(1)aは定数とする。 不等号x二乗―4ax+3a二乗<0を解け
(2)不等号x二乗+9x+18<0を満たすすべてのxが、
   不等式x二乗―4ax+3a二乗<0を満たすように、
   定数aの値の範囲を定めよ。


お返事2000/8/29
from=武田


問1(1)2 -2x+m≧0……①
y=x2 -2x+mとおいて、平方完成して頂点を求めると、
y=(x-1)2 +(m-1)
したがって、頂点(1,m-1)

図より
(ア)-2≦x≦0の範囲で①の不等式が成り立つのは、放物線Aより
   上の放物線のときだから、m-1≧-1∴m≧0……(答)
(イ)0≦x≦3の範囲で①の不等式が成り立つのは、放物線Bより上
   の放物線のときだから、m-1≧0∴m≧1……(答)
(ウ)x≧0の範囲で①の不等式が成り立つのは、放物線Bより上の放
   物線のときだから、m-1≧0∴m≧1……(答)

問1(2)2 +2mx+1≧0……②
y=x2 +2mx+1とおいて、平方完成して頂点を求めると、
y=(x+m)2 +(1-m2 )
したがって、頂点(-m,1-m2 
図より
(ア)0≦x≦2の範囲で②の不等式が成り立つのは、頂点のx座標が
   どこにあるかで決まるので、次の3つの場合に分けて調べてみる。
    (a)-m≦0のとき、放物線Aのようにy切片1の下に凸の放物
      線となるので、②は成り立つ。∴m≧0
    (b)0<-m≦2のとき、放物線Bのようなもののうち、x軸と
      交わるもの以外だから、方程式x2 +2mx+1=0の判別式
      D≦0となる。
      D=4m2 -4≦0
      4(m-1)(m+1)≦0より、-1≦m≦1
      -2≦m<0との共通部分だから、∴-1≦m<0
    (c)2<-mのとき、放物線Cのようなものは、方程式x2 +2mx+1=0
      の解の小さい方が2より右にあるはずだから、
      2≦(1/2){-2m-√(4m2 -4)}
      4≦-2m-√(4m2 -4)
      4+2m≦-√(4m2 -4)
      -4-2m≧√(4m2 -4)
      両辺を2乗して、
      16+16m+4m2 ≧4m2 -4
      16m+20≧0 したがって、m≧-20/16=-5/4
      m<-2との共通部分だから、∴該当なし
   したがって、(a)(b)(c)より、m≧-1……(答)

問2(1)2 -4ax+3a2 <0を因数分解して、
(x-3a)(x-a)<0
   (a)a<0のとき、3a<aより、3a<x<a……(答)
   (b)a=0のとき、x2 <0より、xは解なし……(答)
   (c)a>0のとき、a<3aより、a<x<3a……(答)

問2(2)2 +9x+18<0を解くと、
(x+3)(x+6)<0
-6<x<-3……①
x2 -4ax+3a2 <0の解は上のように場合分けするから、

   (a)a<0のとき、3a<x<aは必要条件だから、
     -6<x<-3を覆う範囲をとるから、
     3a≦-6かつ-3≦a<0
     ∴-3≦a≦-2
   (b)a=0のとき、なし
   (c)a>0のとき、-6<x<-3と、a<x<3aは重ならな
     いから、なし
したがって、(a)(b)(c)より、-3≦a≦-2……(答)