質問<31>98/8/7
from=坂田
「三次方程式の解の公式」


三次方程式 x^3+mx+n=0の一般解を教えてください。


お返事98/8/9
from=武田


解の公式はありませんが、一般解は次のようにして求めるようです。
その前に、x2の項のある三次方程式
x3+px2+qx+r=0
は、変換式 x=y-(p/3)とおくと、x2の項がな
い与式ができるので、この与式を計算すればよいようです。

与式 x3+mx+n=0
x=u+vとおき代入すると、
(u+v)3+m(u+v)+n=0
変形して
(u3+v3+n)+(3uv+m)(u+v)=0
この式が成り立つためには、
  ┌ u3+v3+n=0
  └ 3uv+m=0
でなければならないから、この2式を満たす組(u,v)を求めると、
与式の解が求まる。
3uv=-mより、v=-m/3uと変形し、代入すると、
u3+(-m/3u)3+n=0
両辺にu3を掛けて、
u6+nu3-m3/27=0
六次方程式だが、u3=tとおくと、
tの2次方程式になる。
t2+nt-m3/27=0
二次方程式の解の公式を使って、
t=(-n/2)±√{(n/2)2+(m/3)3}
このあとは、式が複雑になるので、この解をA,Bとおく。
A=(-n/2)+√{(n/2)2+(m/3)3}
B=(-n/2)-√{(n/2)2+(m/3)3}
すると、u3=Aより、
u=(3√A)×1,(3√A)×ω,(3√A)×ω2
ただし、1,ω,ω2は x3=1の3解である。
v3も、u3と同じ解となるが、
片一方がAのときは、もう一方はBより、
v=(3√B)×1,(3√B)×ω,(3√B)×ω2
したがって、x=u+vより与式の3解は、
  ┌x=(3√A)×1+(3√B)×1
  │x=(3√A)×ω+(3√B)×ω2
  └x=(3√A)×ω2+(3√B)×ω
となる。


お返事98/12/22
from=武田


その後分かったことを追記します。

3次方程式の判別式R=(n/2)2+(m/3)3において
①R>0のとき、
u=(3√A)×1,(3√A)×ω,(3√A)×ω2より
3uv+m=0、uv=-m/3(定数)を満たすようにvを決めると、
u=(3√A)×1のとき、v=(3√B)×1
u=(3√A)×ωのとき、v=(3√B)×ω2
(∵ω×ω2=ω3=1より)
u=(3√A)×ω2のとき、v=(3√B)×ω
したがって、3つの場合より、x=u+vより与式の3解は、
  ┌x1=(3√A)×1+(3√B)×1
  │x2=(3√A)×ω+(3√B)×ω2
  └x3=(3√A)×ω2+(3√B)×ω
となる。これは、1実根x1と2複素根x2、x3となる。
②R<0のとき、(つまりm<0)
u3=A=(-n/2)+√R
複素数なので、極形式で表す。
u3=r0(cosθ+isinθ)
ド・モアブルの定理より
u=3√r0(cosθ/3+isinθ/3)
 =3√r0iθ/33とv3は、共役複素数だから
v3=r0(cosθ-isinθ)より、
v=3√r0(cosθ/3-isinθ/3)
 =3√r0-iθ/3
∴x1=u+v=23√r0cosθ/3

ω=(-1+i√3)/2=ei2π/3
ω2=e-i2π/3より
∴x2=ωu+ω2v
   =ei2π/33√r0iθ/3+e-i2π/33√r0-iθ/3
   =-23√r0cos(θ-π)/3

同様にして
∴x3=ω2u+ωv
   =-23√r0cos(θ+π)/3

uv=(3√r02とuv=-m/3(定数)より
3√r0=√(-m/3)
cosθ=(-n/2)/r0
このことより、r0とθが求まるので、
3実根x1、x2、x3が求まる。