質問<3325>2006/8/15
∫(x^n*e^x)dx =(-1)^2n*x^n*e^x+(-1)^(2n-1)*n*x^(n-1)*e^x+(-1)^(2n-2)*n*(n-1)*x^(n-2)*e^x …(-1)^(n+1)*n!*x*e^x+(-1)^n*n!*e^x+C {eは自然対数の底、Cは積分定数} という式を部分積分の勉強中に発見したのですが、 これを証明する手段が思いつきません。 数学的帰納法ではうまくいかず、漸化式でも微妙です。 ★完全解答希望★
お便り2006/8/27
from=KINO
数学的帰納法で証明できます。 I(n)=∫(x^n*e^x)dx とおきます。 I(n)={(-1)^(2n)}*x^n*e^x+{(-1)^(2n-1)}*n*{x^(n-1)}*e^x +{(-1)^(2n-2)}*n*(n-1)*{x^(n-2)}*e^x+...+{(-1)^(n+1)}*n!*x*e^x +{(-1)^n}*n!*e^x+C (これを (1) とおきます)が任意の非負の整数 n に対して成り立つことを示すのが 目標です。 I(0)=∫e^x dx=e^x+C で,e^x={(-1)^0}*x^0*e^x なので n=0 のとき (1) が成り立ちます。 ある非負の整数 k について I(k)={(-1)^(2k)}*{x^k}*e^x+{(-1)^(2k-1)}*k*{x^(k-1)}*e^x +{(-1)^(2k-2)}*k*(k-1)*{x^(k-2)}*e^x+...+{(-1)^(k+1)}*k!*x*e^x +{(-1)^k}*k!*e^x+C が成り立ったと仮定します。 部分積分により, I(k+1)={x^(k+1)}*e^x-(k+1)I(k) が成り立ちます。ここで I(k) に関する仮定を用いると, I(k+1)={x^(k+1)}*e^x-{(-1)^(2k)}*(k+1)*{x^k}*e^x -{(-1)^(2k-1)}*(k+1)*k*{x^(k-1)}*e^x -{(-1)^(2k-2)}*(k+1)*k*(k-1)*{x^(k-2)}*e^x-... -{(-1)^(k+1)}*(k+1)*k!*x*e^x-{(-1)^k}*(k+1)*k!*e^x-(k+1)C ={x^(k+1)}*e^x+{(-1)^(2k+1)}*(k+1)*{x^k}*e^x +{(-1)^(2k)}*(k+1)*k*{x^(k-1)}*e^x +{(-1)^(2k-1)}*(k+1)*k*(k-1)*{x^(k-2)}*e^x+... +{(-1)^(k+2)}*(k+1)!*x*e^x+{(-1)^(k+1)}*(k+1)!*e^x-(k+1)C となります。ここで,1=(-1)^(2(k+1)) と書き換え,-(k+1)C は積分定数なので 改めて C とおくことにすれば n=k+1 のときにも (1) が成り立つことがわかります。 以上により,数学的帰納法により任意の非負整数 n に対して (1) が成り立つことが 示されました。