質問<3403>2006/9/20
from=オタクミ
「積分 1回転させてできる立体の体積」


直線lm:y=mxと曲線Cm:y=mx+sin(x)(0=<x=<π,mは自然数)について
以下に答えよ
(1)曲線Cm上の点P(t,mt+sin(t))を通り直線lmに垂直な直線がlmと交わる点を
   Hとするとき,線分PH,及びOH(Oは原点)の長さを求めよ.
(2)lmとCmで囲まれる図形を直線lmの周りに一回転させてできる立体の体積を求めよ.

という問題なのですが、私には難しくて解答できませんでした。
どうかよろしくお願いします。

★完全解答希望★

お便り2006/9/26
from=平 昭


<解答>
  こんにちは。(1)はきれいに図を描いてみれば自然に分かると思いますが、
(2)が難しかったのではないでしょうか。
「ある直線の回りに曲線を回転させてできる立体の体積」の求め方が問題ですね。

 実は、考え方を知っていれば簡単です。できた立体を、直線に垂直な平面で切ると、
切り口は当然、円になります。この円の面積を、直線に添った方向に積分すれば体積が
出てきます。(どうしてこうなるのか、自分で図を描いて考えてみて下さい。)

 (1)は、切り口となる円の半径と、切り口と直線との交点の、原点(積分区間の
始まるところ、つまりできた立体の端)からの距離、を求めさせる内容です。
これは(2)を解くための準備作業です。準備がどう生きるかは、
下に書いた解答を見て下さい。

 ところで、mが自然数、という条件はどこで生きてくるのでしょう。
問題は解けたはずですが、わかりませんでした。
 m>0、という意味でなら、途中で使ったのですけれど。

【(1)の回答】
直線lm上に、点Q(t,mt)を取る。また、QからX軸におろした垂線の足をR(t,0)
とする。
この時、図を描いてみれば明らかに、△PQHは△PORと相似。
(ていねいに言えば、直角以外の角が等しい直角三角形どうしだから。)
よってPH=PQ・1/√(m^2+1)
   QH=PQ・m/√(m^2+1)

ここで、PQ=sint、OH=OQ+QHを考えて
求める答えは

PH=sint/√(m^2+1)
OH={t√(m^2+1)}+{sint・m/√(m^2+1)}

【(2)の回答】
求める立体の体積をVとする。また、座標が(π、mπ)である点をTと名付ける。
この時、

V=π∫(PH)^2・d(OH)(積分区間はOH=0から、OH=OTまで)、、、★
(冒頭で示した考え方を、式で表すとこうなる。
ここでは、PHをOHの関数とみている。)
 =π∫(PH)^2・{d(OH)/dt} dt(積分区間はt=0からt=πまで)、、★★

(計算しやすいよう、積分変数をtに変える。PHはtの関数とみる。)

ここで、
d(OH)/dt=√(m^2+1)+{cost・m/√(m^2+1)}

∫(sin^2)t・costdt={(sin^3)t}/3(積分定数省略)で、右辺はt=0とt=πで0と
なることを考えて計算すれば、積分記号の中の第2項は消えて

V=π∫(sin^2)t/√(m^2+1)dt(0からπまで)
  =π∫(1-cos2t)/2√(m^2+1)dt(0からπまで)
  =π^2/2√(m^2+1)

★と★★の式がポイント。後は計算問題です。