質問<3598>2007/8/29
from=まぶち
「関数の最小値と変曲点の個数」


いつもお世話になっております。
以下の問題をよろしくお願い致します。

関数f(x)=cx/(x^2+ax+b)はx=1で最小値1/2をとる。
(1) aをcで表せ。またbの値を調べよ。 
(2) この関数の変曲点の個数を調べよ。

★希望★完全解答★

お便り2007/9/8
from=UnderBird


問題を考えていて、最小値でなく最大値ではないかと思うのですが、問題をもう一度
確認してもらえませんか?
a=2c-2,b=1 となるようですが・・・。


お便り2007/9/27
from=cqzypx





お便り2007/10/4
from=ここなっつ


3598の問題ですが、どうしても変曲点の個数の調べ方がわかりません。
どのようにすれば解答を導けるのか解き方を教えてください。


お便り2007/12/25
from=平 昭


 こんにちは。計算と場合分けが面倒な問題ですね。
分数関数は、

 分母=0となるxの値が存在するのか?
 するならその値付近での、分母の正負は?
 などによってグラフ全体の形が変わってくるのでやっかいです。

 また、他の方も書いていらっしゃいましたが、
問題文の「最小値」はおそらく間違いでしょう。
たぶん「極小値」か「最大値」のどちらかではないでしょうか。

 さて、解答です。なるべく必要条件で押し、十分性は後から
検討する、という方針で行きます。

(1)
 f(x)=cx/(x^2+ax+b)を微分して

 f’(x)=c(b-x^2)/(x^2+ax+b)^2
f(x)はx=1で最小値1/2をとるから

 f’(1)=0、かつf(1)=1/2が必要。
この時
  f’(1)=b-1=0 つまりb=1
また
 f(1)=c/(a+2)=1/2
 よって
 a=2c-2 かつa=-2でない。cは0でない。、、、(1)の解答

(2)(1)の結果より

 f(x)=cx/(x^2+ax+1)
 f’(x)=c(1-x^2)/(x^2+ax+1)^2 と書ける。
 さらに微分して
 f’’(x)=2c(x^3-3x-a)/(x^2+ax+1)^3
(計算は省略します。けっこう面倒でした。)

 さて、f(x)はx=1で最小値をとるから
 f’’(1)>0が必要。

 ここでf’’(1)=2c(-2-a)/(2+a)^3 
 であり、a+2=2cに注意すれば
 f’’(1)=-4c^2)/8c^3= -1/2c
 
 結局、c<0が必要となる。

 ここでf(x)の分母=(x^2+ax+1)=g(x)と置くと
 方程式 g(x)=0について、判別式をDとすれば
 a=2(c-1)より
 D=a^2-4=4(c-1)^2-4
 よって、c<0のとき D>0で、
 g(x)=0は相異なる2解を持つ。
 その解をα、β(α<β)と置けば
α+β=-2(c-1)>0、αβ=1を考えて
0<α<1<βとなる。

 さてこの時、f(x)のグラフの概形を考えると、
 x-α→+0 と x-β→-0の時 
 g(x)→-0でかつcx<0であるから f(x)→正の無限大
 
 x-α→-0とx-β→+0の時
 g(x)→+0でかつcx<0であるから f(x)→負の無限大
 
 さらにx→正の無限大の時 f(x)→-0
    x→負の無限大の時 f(x)→+0

★よって、f(x)はx=1で極小値1/2は取るものの、
f(x)の最小値は存在せず、問題が間違っていると分かった。(^_^;)

さて、気を取り直して、
問題文の「最小値」を「極小値」と読み替える。
変曲点の個数を調べるには、
方程式 f’’(x)=0の解の個数を調べればよい。

 f’’(x)=2c(x^3-3x-a)/(x^2+ax+1)^3で、

 f’’(x)が0になるのは
 x^3-3x-a=x^3-3x-2(c-1)=0の時。
 ここでh(x)=x^3-3xと置けば、
 h(x)はx=-1で極大値2、x=1で極小値-2を取る。

 微分して増減表を書くことにより、
グラフの概形を書けば、h(x)=2(c-1)の解は、

 2(c-1)<-2で1個、2(c-1)=-2で2個、
-2<2(c-1)<2で3個、2(c-1)=2で2個、2<2(c-1)で1個。
と分かる。整理すれば

c<0で1個、c=0で2個、
0<c<2で3個、c=2で2個、2<cで1個。
ただし、c=0は題意に適さない。

この場合、c<0なので解は1個。

この解をγとおくと、グラフを考えれば、
 γ<-1<0<α<β
(α、βはf’’(x)の分母=g(x)が0になる値だが、
これはf’’(x)の分母が0になる値と同じ)は明らかで、
γの周辺でf’’(x)の分母は常に正の値をとるから、
f’’(x)の正負はγを境に変わる。

よって、γはf(x)の変曲点である。

★★ 結局、f(x)の変曲点は1個。
=問題文を「極小値」と修正した場合の(2)の答=


 さらに気を取り直して(^_^;)


 問題文の「最小値」を「最大値」と読み替える。
この場合、(1)の答えは変わらない。
(1)で使った条件
 f’(1)=0、かつf(1)=1/2
は実際には
「f(x)はx=1で極値1/2をとる」ことしか意味しないから。
よって
a=2c-2 かつ、a=-2でない。つまりC=0でない。、、(1)の解答

(2)の計算も同様になるが、

 f(x)はx=1で「最大値」1/2をとるだと

今度は f’’(1)<0 が必要。
このときc>0となる。

fの分母g(x)=(x^2+ax+1)の判別式は

 D=a^2-4=4(c-1)^2-4 で

 0<c<2 で D<0
  C=2  で  D=0
  2<c   で  D>0
 
 である。

D<0の時、常にg(x)>0で
    x→正の無限大の時 f(x)→+0
    x→負の無限大の時 f(x)→-0
 となる。これと、
 f’(x)の符号の変化を考え合わせてグラフの概形を考えると、
 f(x)は確かに、x=1で「最大値」1/2をとる。

 この時、0<c<2であり、
「問題文を「極小値」とした場合の(2)」
 の考察を適用すれば、
 f’’(x)=0は3個の相異なる解を持つ。
 f’’(x)の分母は常に正であるから、
 f’’(x)の符号は解の前後で(-1必ず入れ替わる。
 つまりこの時、変曲点の個数は3個である。、、、①

 D=0の時、c=2で
 f(x)=2x/(x+1)^2

 xが正の方から-1に近づいても、負の方から近づいても共に
 f(x)→負の無限大となる。
 また x→正の無限大の時 f(x)→+0
    x→負の無限大の時 f(x)→-0
 である。

 これらとf’(x)の符号の変化を考え合わせてグラフの概形を考えると、
 f(x)は確かに、x=1で「最大値」1/2をとる。
 こ
 この時 f’’(x)=4(x^3-3x-2)/(x^2+2x+1)^3
        =4(x+1)^2(x-2)/(x+1)^6
        =0
の解はx=2のみ。(x=-1は分母が0となる値で解ではない)
 
 分母はx=-1以外では常に正だから、f’’(x)の正負はx=2の前後で
入れ替わる。

 つまりこの時、変曲点の個数は1個、、、②

D>0の時c>2

 g(x)=0は相異なる2解を持つ。
 その解をα、β(α<β)と置けば
 α+β=-2(c-1)<0、αβ=1を考えて
 α<-1<β<0となる。

 この時、α<x<βでg(x)<0を考えれば
 x-α→+0 と x-β→-0の時 
 g(x)→-0でかつ f(x)の分子=cx<0であるから 
 
 f(x)→正の無限大 となって最大値は存在せず
 「修正した」題意に合わない。

 以上をまとめると
★★★ 変曲点の個数は 0<c<2で3個、c=2で1個。
=問題文を「最大値」と修正した場合の(2)の解答=

 ふぅーーっ。読んで下さった方、お疲れさまでした。(^_^)