質問<37>98/8/24
from=坂田
「因数分解」


x^2-xy-2y^2+ax-y+1が1次式の積に因数分解されるように、
定数aの値を求めよ。
これをxの2次式と考えて、
x^2+(a-y)x-(2y-1)(y+1)
これは、
(x-2y+1)(x+y+1) or
(x+2y-1)(x-y-1)
と因数分解できると考えて、aを決定できないのはなぜでしょうか?


お返事98/8/28
from=武田


苦労しましたが、やっとできました。
2変数2次関数f(x,y)=x2-xy-2y2+ax-y+1
は次のような鞍部型のグラフになります。

x方向にz=x2型、y方向にz=-2y2型
となります。因数分解は下の次数の積ですから、この場合は1次式
の積にならなければなりません。
グラフで分かりやすくするため、今f(x,y)=0とおいて、xy平面と
の切り口のグラフを考えてみましょう。aの値によって、切り口は
変化します。まだaの値は分かりませんが、切り口が想像できます。
上の図を参考にしながら、
点Pがxy平面より上にあるときは上下に双曲線
   xy平面にのっているときは直線
   xy平面より下のときは左右に双曲線
切り口が1次式は直線のときだから、xy平面上にのっていること
になる。点Pの座標を探します。2つのやり方で、やってみました。
①微分で接線の傾き0より
   ∂f/∂x=2x-y+a=0
   ∂f/∂y=-x-4y-1=0
   解くと、x=(-4a-1)/9
       y=(a-2)/9
   これをf(x,y)=0に代入して解くと、
   2a2+a-10=0より、
   ∴a=2,-5/2
   a=2のとき、 f(x,y)=(x-2y+1)(x+y+1)
   a=-5/2のとき、f(x,y)=(x+y-1/2)(x-2y-2)
②判別式を2回用いて
   x2+(a-y)x-(2y2+y-1)=0
   判別式1回目
   D=(a-y)2+4(2y2+y-1)=0
   9y2+(4-2a)y+(a2-4)=0
   判別式2回目
   D=(4-2a)2-36(a2-4)=0
   2a2+a-10=0より
   ∴a=2,-5/2
   a=2のとき、 f(x,y)=(x-2y+1)(x+y+1)
   a=-5/2のとき、f(x,y)=(x+y-1/2)(x-2y-2)
難しかったのは、グラフを想像するところでした。簡単に書いてくれる
ソフトが手に入ればいいのですが……


お便り2009/6/6
from=BossF


ふと開いたら最新の質問が[37]になっていて試しに解いてみました。せっかくなので送ります
「
(x-2y+1)(x+y+1) or
(x+2y-1)(x-y-1)
と因数分解できると考えて、aを決定できないのはなぜでしょうか?
←因数分解の範囲を質問者(あるいは当時の出題者)が意識していないことが混乱の原因です
整数の範囲では正しい認識ですね、これ。しかし実数まで広がっているとそうも行かなくなります

例えば 実数の範囲での因数分解なら 

[解]与式=(x+by+p)(x+cy+q) とおけば

2次の項の係数比較により
b+c=-1 bc=-2 だから b,c は t^2+t-2=0 …①の解
①を解いて t=-2,1
(b,c)=(-2,1) としても一般性を失わないから
与式=(x-2y+p)(x+y+q) とおける
今度は、yの係数および定数項の比較より
p-2q=-1 pq=1
すると、p,-2qを2つの解にもつ方程式は t^2+t-2=0…②
②を解いて t=-2,1 ∴(p,-2q)=(-2,1),(1,-2)
すなわち (p,q)=(-2,-1/2)(1,1)

よって a=-5/2,2 ■